内容説明
比較文明学会創立三〇周年を記念して刊行された論文集。自然と文明の関係性の再確立、西欧近代の知の超克、グローバリズムの問い直しなど、現代の比較文明学共通の課題と関心に収斂した問題が記述されている。
目次
第1部 いま、生態系と文明系を問う(総合知としての比較文明学―その構築に向けて;「生態系から文明系へ」再考―谷口国際シンポジウム「文明学部門」の遺産;生命体としての文明―生命史から人類史へ;近代文明の発達とランドスケープ(風景)保全思想の展開)
第2部 いま、生態智と文明智を問う(森の思想―アメリカ先住民の生態智と二一世紀文明;生態智と平安文明;「進歩」への問い―ローカルなジャワ文明の思想と人類の未来;心身の痛みと「場所性」の回復―沖縄のシャーマンの身体知に探る世界認識)
第3部 いま、比較文明の方法論を問う(グローバル時代の歴史学―グローバル・ヒストリーと未来をみつめる歴史研究;マヤ文明の研究を通して考える比較文明学の方法―切断の方法論から接合の方法論へ;“汎霊論”と“アニミズム”―東アジア的生命観の二源流;企業の文明学―スポーツとの出会いと別れ)
第4部 文明の過去から未来を透視する(ストーンヘンジと文明;紛争を超える思想を求めて―寛容思想の限界を超えて;司馬遼太郎の文明観―古代から未来への視野;人口動態から見る文明の未来)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
12
文明が社会にどのように影響しているのかあまり考えた事が無かったので、この本の捉え方は面白かった。また、○○文明や比較文明論等の関連知識が無かったので、読んでもすっとは入ってこず、勉強不足を感じる。この本は各教授が各々の論文を書くという構造になっているが、その中でも『進歩』への問い-ローカルなジャワ文明の思想と人類の未来、〈汎霊論〉と〈アニミズム〉-東アジア的生命観の二源流、紛争を超える思想を求めて-寛容思想の限界を超えて、司馬遼太郎の文明観-古代から未来への視野、人口動態から見る文明の未来が面白かった。2016/07/21
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