内容説明
本書は、一八世紀後半にイギリスで始まった産業革命以来の、近代経済成長の過程を追いながら、ここに確固不動の観を与えるにいたった大企業体制の成立過程を、分析したものである。単に経済史的記述に終わるのでなく、経済現象をもたらした経済政策、あるいは経済理論はどのようなものであったか、そこまで分析しなければ物事の本質には迫れない。その意味で本書は産業革命以降の経済史であり、かつ大企業体制に焦点をしぼった経営史でもある。したがって、正確に表現するならば、大企業を中心とする経済史であり、かつ、経営史ともいえる。
目次
第1章 近代経済成長と工業社会
第2章 大量生産の歴史と大企業体制
第3章 資本主義経済の激動期
第4章 シュンペーターの『景気循環論』
第5章 ケインズの『一般理論』と福祉国家論の登場
第6章 第二次世界大戦後にみる大企業体制の発展
第7章 生産性低下と大企業体制の限界
第8章 工業化時代の終焉と環境保護