内容説明
人間とその世界を総体的に認識するためのモデルとしての物語。構造主義、文化記号論はこの物語論を1つの核として展開し、様々な知の領野の発展を促した。物語が人間の心に根ざし、人間の心が物語に根ざすものである以上、物語と物語論は今後も人々の心を騒がせ続けるにちがいない。
目次
物語におけるヴィジョンと記憶―「一大同時空」の意識と思想について(磯谷孝)
ミメーシスの2つの型、またはミメーシスの循環(久米博)
日本語の語りのテクストにおける時制の転換について(池上嘉彦)
民話の構造とジャンルの志向性(野村〓)
夢と文字―アンリ・ミショーのナラトロジー(立花規矩子)
物語、強迫神経症?(川中子弘)
ナラトロジーの現在(松島征)
推敲の記号論―芭蕉の蝉の句の推敲について(平賀正子)
オースティンとディムズデイル―言語行為論的『緋文字』論(中井紀明)
衣服の記号学へ―R・バルト『モードの体系』へのプレリュード(篠田浩一郎)
「語り」の誕生―映画の場合(浅沼圭司)
音楽のディスコース―定義の試み(近藤譲)
差異・対立・反復―文化のナラトロジーへの一視点(伊東一郎)
ベルチーテで思ったこと―絵画表現について(藪野健)
文化のナラティブ・メディア―テレビの神話化とメディア論の課題(北村日出夫)
中国と記号学―訪中報告(坂本百大)
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