出版社内容情報
「病理学」とは<病気はどうしてできてくるのか?>という学問です。
その病理学の真骨頂が、日本人のふたりに一人がかかるという「がん」。
病理医であり、松岡正剛氏率いるイシス編集学校師範でもある著者が平易な語り口&直筆イラスト満載で満を持して放つ病理学(がん)のはなし。
内容説明
「こわいもの知らずの病理学講義」でつまずいた人、必読!現役病理医が140点の直筆イラストで語る、「からだ」と「がん」のしくみ。
目次
1 病理医の仕事図鑑(風邪とがんの診断、どう違う?;がんの診断、誰がどこでどんなふうに?;病理診断は「見た目」勝負? ほか)
2 がんの病理図鑑1(細胞の形―正常と異常の境目は?;「腫瘍」の定義―「できもの」「はれもの」「しこり」?;二つの「遺伝子異常」―遺伝子異常って、遺伝する異常? ほか)
3 がんの病理図鑑2(ホルモンとがん―がんにも性差、あるのです;ウイルスとがん―ウイルス感染でがんになる?;乳房のがん(乳癌)―多様性を実感するがん ほか)
著者等紹介
小倉加奈子[オグラカナコ]
順天堂大学医学部附属練馬病院病理診断科先任准教授、臨床検査科長。2002年順天堂大学医学部卒業。2006年同大学院博士課程修了。医学博士、病理専門医、臨床検査専門医。NPO法人「病理診断の総合力を向上させる会」理事。イシス編集学校師範。外科病理診断全般を担当し、研修医・医学生の指導にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タナカ電子出版
34
この本表紙はパンダが書いてあり、かなりかわいい❤️印象ですが、かなり中身が難しい内容です👀‼️表紙に騙されないでください。著者は日本の医師の中でも病理医と呼ばれる2,483人しかいない科学者です🍀(2018年)イラストはわかりやすく書かれていますが、医学的知識がなければ読むのが難しい📖です。しかしながら、医療雑学好きにはたまらない内容になっています。驚く事に病理医の仕事は細胞が癌かどうかを経験的主観的に診断します‼️よってわからない時は経験豊かな先生に聞くやっぱりそれしかない❕😱ガーン2020/02/01
trazom
34
装丁は、仲野徹先生の「こわいもの知らずの病理学講座」と同じ寄藤文平さん。おしゃべりでユーモア溢れる病理学者による、楽しくてためになる一冊である(仲野先生もちゃっかり登場)。病理診断の基本が、細胞の異型・分化・組織型の3つの形態だと理解した。「形態診断」が病理医の主観によるものであり、AIや遺伝子分析の進歩の中で、そのあり方が問われているのもわかった。だからこそ、著者の「顕微鏡で細胞を見て、あ、この患者さんは大丈夫そうとか…」という言葉に救いを覚える。患者との一期一会を大切にする病理医の愛情が伝わってくる。2019/10/01
羽
18
☆☆☆☆ 未知のものは怖い。わたしにとって、がんは未知で怖いものだった。でも、筆者の手描きの細胞たちを眺めているうちに、怖いという気持ちは次第に薄れていった。がんの種類はたくさんあり、著者ですら何種類あるのか分からないという。"がん"と"癌"の違いやがんが治る人と治らない人がいる理由など、ためになる話が多かった。"遺伝子の小さな異常は毎日起こっている"が、"遺伝子自体がそれを修復したり、免疫機構が働くことで、発生したがん細胞が増えないような仕組みが働いて"いる。細胞って働き者だな。2019/09/18
DEE
12
病院にかかっても直接は接することはない病理医である著者が代表的ながんの症例を挙げながら、がんとはどういったもので、そこに病理医はどのように関わっているかをわかりやすく説明してくれる。 こういう病気関係の本を読んでいると、胃がなんとなく痛かったり、普段より呼吸がしにくいような気がして不安になる時がある。 たまには健康診断受けなきゃな…2019/07/17
ふぇるけん
10
がんというものがどうやってがんになるのか、がん細胞のかたちなどをイラストとともにわかりやすく書いてあって、とても参考になった。これからの病理診断にはAIが大活躍しそうなこと、病理学のあり方がゲノムの分析によってどんどん変わってきていることなども参考になった。喫煙がなぜ身体に良くないかも論理的に説明されると納得。2019/11/12
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- 和書
- 傷 角川文庫