内容説明
「粋」という美意識が育んだ、パワフルで洗練された庶民文化。
目次
刻々と姿を変えた、「江戸」という都市。
庶民が愛した浮世絵は、江戸のポップ・アート
パワフルで「粋」な出版文化を大研究。
庶民の生活を彩る、江戸グラフィック
風情を残す、建築モチーフと都市設計。
260年にわたる、江戸デザインの系譜。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
greenish 🌿
36
260年にわたり一大文化を築いた「江戸」時代の、「粋」という美意識が詰まったアートな一冊 ---浮世絵・黄表紙・着物に書。千代紙・手ぬぐい・浴衣に切子。印象派の画家から稀代の建築家にも影響を与えた、江戸人の美意識。侘び寂び・慮るの精神性があったればこそ、主題を主役とせずとも主題を引き立たせる、大胆かつ緻密な構図の浮世絵を描くことができたんだなぁと。そして、町人たちの意地と誇りが生み出した、着物文様や色合いの数々もうっとりものです。 あぁやっぱり日本人なんだな!あぁ江戸人になってみたい!と思うのでした。2014/10/29
Roko
28
庶民は贅沢をしてはいけないという決まりがあったので、たとえお金持ちでっても表は地味な服でした。でも裏は色物を使ったり、豪華な柄物だったり、見えないところにお金をかけていたので、こういうデザインに携る職人もさぞかし多くいたのでしょう。手ぬぐい、ポチ袋、千代紙などの小物のデザインはもちろん、広告に関するデザインもたくさんありました。浮世絵も黄表紙も、どれをとっても江戸のデザインは、今見ても新鮮なものばかりです。温故知新とは、こういうことをいうのでしょうね。2025/01/17
tera。
13
浮世絵がお目当てだったのだが、錦絵にはコッソリ広告が描かれていたり、江戸時代には既にチラシが存在していたなんて情報まであって楽しめた。着物の「裏まさり」は今もかなり粋でないと着こなしは難しいが、江戸時代の男性はお洒落だったみたい。 所謂『見えない所にこそ、お洒落する』のは100年以上も前から粋な人達には当たり前だったのか。 広く浅くではあるけれど、ここから興味をもって好きな分野を見付けるのにはいい一冊だと思う。2013/11/11
紅独歩
4
入門書としても物足りない内容。浮世絵を語るのが専門外の人間(しかもインタビューを編集部がまとめたもの)だったり、織物や手拭いなどが現存する店舗のカタログの域を出ていなかったりと、雑誌の特集レベル……と思ったら、本当に雑誌を書籍化したものだった。着眼点は面白いのだが。2010/04/04
きのこ
3
「粋とは『垢抜けして、張りのある、色っぽさ』」(p62)2017/10/06