もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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  • サイズ B6判/ページ数 469p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784484101132
  • NDC分類 020.4
  • Cコード C0098

内容説明

紙の本は、電子書籍に駆逐されてしまうのか?書物の歴史が直面している大きな転機について、博覧強記の老練愛書家が縦横無尽に語り合う。

目次

本は死なない
耐久メディアほどはかないものはない
鶏が道を横切らなくなるのには一世紀かかった
ワーテルローの戦いの参戦者全員の名前を列挙すること
落選者たちの復活戦
今日出版される本はいずれもポスト・インキュナビュラである
是が非でも私たちのもとに届くことを望んだ書物たち
過去についての我々の知識は、馬鹿や間抜けや敵が書いたものに由来している
何によっても止められない自己顕示
珍説愚説礼讃
インターネット、あるいは「記憶抹殺刑」の不可能性
炎による検閲
我々が読まなかったすべての本
祭壇上のミサ典書、「地獄」にかくまわれた非公開本
死んだあと蔵書をどうするか

著者等紹介

エーコ,ウンベルト[エーコ,ウンベルト][Eco,Umberto]
1932年生まれ。イタリアの中世学者、記号学者、哲学者、文芸批評家、小説家。1980年に発表した『薔薇の名前』(東京創元社)がベストセラーとなり、広く読まれるようになる。ボローニャ大学人文科学部長を務め、多数の著書がある

カリエール,ジャン=クロード[カリエール,ジャンクロード][Carri`ere,Jean‐Claude]
1931年生まれ。フランスの作家、劇作家、脚本家。ルイス・ブニュエル作品の脚本家として知られ、手がけた脚本は80余、主な脚本に『ブリキの太鼓』『存在の耐えられない軽さ』があり、大島渚監督作品『マックス、モン・アムール』の脚本も担当している。演出家ピーター・ブルックの台本執筆にも30年にわたって携わり、自身の著作も約30点を数える

工藤妙子[クドウタエコ]
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部文学科仏文学専攻卒業。仏文翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マエダ

106
まず本自体の天、地、小口が青いところから衝撃であり素晴らしい。内容はウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールとの対話形式で古書講談となっている。二人とも年季の入った古書収集家、古書愛好家であり日本とは違った欧州の読書の感性がみえるところも良い。2016/06/22

藤月はな(灯れ松明の火)

47
以前、電子書籍が台頭してくる昨今での書物のあり方を市の読書に関する会のパネリストとして討論したことがあります。本の内容、焚書や量産化による書物の価値の変化、書物に対するフェチズムや亡き後の本の行方などが本だけでなく、作者、映画、歴史などの様々な面を織り交ぜて討論しています。図書館で借りたのがもったいないほど、だだもれんばかりの知識を噛み締めたくなる一冊でした。「読書が依存となっている」という指摘にはドキッとなりました^^;あと、深海のような青色の小口などの装丁がすごく素敵><2012/02/15

そふぃあ

31
結論、本は絶滅しない。いくら電子化が進もうが、書物は生き残ると冒頭から説明があった。最初混乱したけど、あとがきに、原題は「本から離れようったってそうはいかない」だと書いてあったから納得した。今の題名になったのは、電子書籍元年という2010年出版時の世相を反映したから。この本は、世界に名高く本の蒐集家でもある知識人二人が、本についてあらゆることを語り合う、ぜいたくな対談本。知識量の多さに圧倒されたけど、彼らにも読んでない本があり、読んでない本について語ることもあると知って、なんだか安心した。2016/01/18

おおた

30
本に飛び交う蝶のような2人が知識という花粉をあちこちに運ぶようなやりとり。本という文化を早送りで見ているような、それでいて分かりやすい内容・形式。適度に枯れたおっさんのトークほどおもしろいものはなくて、自分ちにある値段がつかないような古書の話や、持っている本すべてを読むなんて不可能などさらりさらりといい話が詰まっている。「読むべき本」なんかもなくて、己の感性に従って楽しい読書をすればいいというスタンスも、しがない一読者として励みになる。読書に疲れた時に読みたい一冊。2016/10/14

kasim

29
碩学二人のとりとめなく読みやすい対談集。目を惹く邦題だが、二人が特に紙に固執しているのではなく、本の歴史や古書が話題の中心にあるため当然紙の本が前提にある、という程度。ただインターネットに対する懐疑はたしかに挟まれる。あと過去を軽視するアメリカ的価値観への敵意も。書物が生まれたことで記憶術は衰退し、ネット時代の今、人の記憶はますます衰えている。しかし本もネットも道具であり、使いこなすためには結局「自分自身の記憶を維持しなければならない」、その意味で知識や暗記を嘲笑するのは危険な態度だ。2024/02/07

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