内容説明
新生ロシアは、危険な方向に歩み出している。豊かな石油資源も後押しし、再び大国として台頭しつつあるが、一方でウラジーミル・プーチンのもと、帝政時代やソ連時代から息づく独裁主義へと逆行しているのだ。ドミトリー・メドヴェージェフが新ロシア大統領に就いたが、実権を握っているのはいまだプーチンである。彼は、ソ連崩壊後の民主改革を無意味なものと見なしている。記者として10年以上ロシアで活躍した著者は、本書で現代ロシアの独裁政治を暴き出す。そこに拡がるのは「死の政権」だ。国賊は暗殺のターゲットとされ、罪の無い人質が殺されても政府は無関心だ。この本は、プーチンの大統領任期中に犠牲となった人々について、目撃者や遺族へのインタビューに基づくドキュメンタリー形式で書かれている。
目次
第1章 ロシアの暗闇―残虐な歴史に捕らわれた国
第2章 プーチンはこうして選ばれた―どこからともなく現れた男を保証人にしたエリツィン
第3章 プーチン政権を知る―ロシアの朝、その高い代償
第4章 ニコライ―放射性毒物の最初の犠牲者
第5章 「ノルド・オスト」―再び、国民を裏切った母なるロシア モスクワ劇場占拠事件
第6章 亡命者たち―ボリス・ベレゾフスキーとロンドンの聖地
第7章 アメリカの聖戦士―ポール・クレブニコフと栄光のロシア
第8章 エレベーターの殺人―アンナ・ポリトコフスカヤと声を失ったロシア
第9章 裏切り者―ロンドンの亡命者、アレクサンドル・リトヴィネンコ
第10章 ポロニウム―世界が目撃した暗殺
著者等紹介
レヴィン,スティーヴ[レヴィン,スティーヴ][LeVine,Steve]
旧ソ連やパキスタン、フィリピンで18年間海外特派員を務め、ウォールストリート・ジャーナル紙やニューヨーク・タイムズ紙、ニューズウィーク誌、フィナンシャル・タイムズ紙などに寄稿。現在はワシントンを拠点に、ビジネスウィーク誌のチーフ・ライターとして海外情勢を扱う
中井川玲子[ナカイガワレイコ]
東京都出身。国際基督教大学卒業。ミネソタ大学社会学部修士課程修了。シリコンバレーの米ベンチャー企業や日系企業で大手ハイテク企業とのビジネスに携わった後、翻訳家となる
櫻井英理子[サクライエリコ]
栃木県出身。幼少期をロンドンで過ごす。一橋大学卒業
三宅敦子[ミヤケアツコ]
兵庫県出身。カナダ、ヨーク大学卒業。銀行勤務を経て、翻訳・通訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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