内容説明
「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」キリスト教2000年の歴史が、いま果てなきやくざ抗争史として蘇る!「あいつら、言うてみりゃ人の罪でメシ食うとるんで」エンタメで学べる画期的キリスト教史入門!
目次
第1章 やくざイエス
第2章 やくざイエスの死
第3章 初期やくざ教会
第4章 パウロ―極道の伝道師たち
第5章 ローマ帝国に忍び寄るやくざの影
第6章 実録・叙任権やくざ闘争
第7章 第四回十字軍
第8章 極道ルターの宗教改革
終章 インタビュー・ウィズ・やくざ
著者等紹介
架神恭介[カガミキョウスケ]
1980年生まれ。広島県出身。早稲田大学第一文学部卒。作家。フリーライター。ファッションパンクロッカー。ファッション仏教徒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
142
のっけからヤクザ的なやり取りが面白かった。実際もそんな感じだったのだろうか?笑2014/09/02
Miyoshi Hirotaka
86
キリスト教の歴史を極道の世界に置き換えた娯楽作品。信仰と任侠が似通っているのは、信条が行動規範だから。一方、建前だけでは組織の維持はできない。シノギがないと組の運営ができないように、経済活動なしでは宗教組織といえども求心力が低下し、離反を招く。外部環境の変化につれ、本音と建前の乖離が拡大し、生存本能むき出しの行動に出るのは極道の世界と同じ。第四回十字軍では正教会の都を攻撃した。20世紀には共産主義を嫌うあまりにファシズムと手を組んだ。多くの人を救い、社会制度の発展に寄与したが、歴史には聖的な面が少ない。2017/02/21
優希
77
キリスト教の歴史を小説仕立てで描いているので、非常にわかりやすかったです。これを読めば基本的なことはザックリ抑えられるのではないでしょうか。極道に見立てて語られるのにはかなり衝撃を受けますが、意外とヤクザとキリスト教が馴染んでいましたね。エンタメ感覚で読めます。2018/04/02
姉勤
69
汝の隣人を愛せよ(ただしキリスト教徒に限る)。右の頬を打たれたら(異教徒ならば撲る)。破門とか、ファーザー(親分)、ブラザー(義兄弟)などの身内感。前からヤクザ的なものを感じていた。映画よろしく、本書の聖人たちを演じるのは、高倉健、鶴田浩二ではなく、菅原文太、田中邦衛らで、特に「金子信雄」は何役演じているんだ!というほどに。キリスト教史の甘言と裏切りの修羅道。見立ては面白かった。宗教はエゴをコントロールしつつ生存を肯定するサバイバル装置。衣食が足らざる時は「愛と平和」は二の次のヤハウェを担ぐ、代理戦争。2015/07/05
流言
67
やくざにデフォルメされた聖人聖徒が広島弁でまくしたてるキリスト教2000年の歴史。キリスト教史の大事件をかいつまんだ形式でありここまでデフォルメされてなお黎明の混沌は常人の頭脳を超えるが、”ワインが血なわけがないしパンが肉なわけがないのだが””「カラッポの墓のために戦争などするか」と同時代人も呆れている”と歯に衣着せぬ身も蓋もない表現が宗教闘争にいまいちピンと来にくい21世紀の異国人の溜飲を下げてくれる。 参考文献に「叙任権闘争」や「旧約聖書」に混じって「仁義なき戦い」が鎮座していることにニヤニヤできる。2014/03/18




