内容説明
焼け跡、カストリ焼酎、ヒロポン…混沌の時代を彩った小説家の群像!現役最高齢、“最長不倒作家”の記憶。
目次
無二の親友、織田作之助の死
太宰治、グッド・バイ
偉大なる嘘つき坂口安吾
最後は菩薩、林芙美子
ヒロポン、アドルム、田中英光
論争をけしかける花田清輝
凄まじい勢いで書く丹羽文雄
手を握りしめる舟橋聖一
カンパにも超然、埴谷雄高
三島由紀夫の白い手袋
新宿の雑踏に消えた梅崎春生
色川武大と語った「博打と小説」
「あいつを殺す」と笹沢左保は言った
後ずさりした木々高太郎
芝木好子が見せた涙
五十年来の友、田宮虎彦の死
著者等紹介
大川渉[オオカワワタル]
1959年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。酒場や町歩きに関するエッセイや書評を雑誌、新聞に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ブラウニー
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昭和を駆け抜けた作家達の群像を、1人の作家の語りを元に構成したドキュメンタリー。目次で太宰や坂口安吾が出てくるのは分かりましたが、さりげなく永井荷風や井伏鱒二も登場します。あと三島由紀夫の事件にも触れています。しかしやはり外せないのは高校時代からの盟友、織田作之助でしょう。彼がいなければ、他の小説家に関する語りはなかったか、おそらく皮相的な回想録に留まったのかもしれません。これは青山光二の半生回想録だけでなく、織田作之助の伝記でもあるのだなと思いました。この本をくれた読書会のメンバーさんに感謝です。2020/05/05