内容説明
池波正太郎没後二十年。料理人の技を注ぎ、感謝の心とともにいまも届けるおせち料理。池波が愛した料理人が、そのレシピと調理法を紹介し、人生の師との出会い、別れ、教え、そして料理に向かう心を語る。
目次
一の重 祝肴と口取り
二の重 焼きもの酢のもの
三の重 煮もの
第1章 おせち作り―十二月三十日から三十一日。てんぷら近藤の、一年で一番忙しい日
近藤流おせちのレシピ
第2章 少年時代
第3章 山の上ホテルに勤める
第4章 池波正太郎先生の思い出
第5章 独立
第6章 天ぷらは料理の最高峰
著者等紹介
近藤文夫[コンドウフミオ]
1947年東京生まれ。高校卒業後、山の上ホテルに就職、「てんぷらと和食山の上」で修業。1970年、二十三歳で料理長に抜擢され、以後二十一年間、勤める。1991年独立、銀座に「てんぷら近藤」を開店(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
31
東京っ子らしいきびきびした文章。懐の広い社長や、支えてくれた恩人たち。近藤さんといえば池波さんですが、亡くなった後何十年もおせちを届けているという話がすごく素敵です。若い人たちのきびきびした仕事ぶりも素敵で、うっとり読みました。夫は築地の写真にくぎ付けになり、「ああ、山五さんか」。自分も夫も、お金は自分のしたいことに使い、人を大切にしたいと思うタイプ。古き良き東京人を久々に見て気分がよくなりました。夫と近々伺いたいと思います。2020/04/01
だーぼう
26
交わす言葉は最小限。カウンターを隔てた男と男の会話。気を抜くと涙が出そうで気をつけながら読んだ。ブログに感想を書きました。2017/03/07
ドナルド@灯れ松明の火
23
池波さんが愛した山の上ホテル料理長近藤さんの、おせちにまつわるエッセイ。幼少から現在(独立)に至るまでの近藤さんの料理人人生とポリシー。そしてホテルで培われた技術・著名人たちとの交流。それらが非常に優れたエッセイとなっている。亡くなられた今も池波さん宅に届けられる精魂込めたおせちの由来が近藤さんの生き方を表している。その時間のかかるおせちの作り方も写真付きで、そこらの料理本よりよほど旨そうでかつヒントが惜しげもなく書かれている。時期的にも年末で良かったが、こんなおせちを食べてみたいものだ。超お薦め2015/12/25
喪中の雨巫女。
13
《私ー図書館》亡き池波先生に、届けるおせち。品数も多く美味しそう。レシピも載ってた。それより、池波先生とのエピソードや、近藤さんが、お店を出すまでの話が面白い。2015/11/16
neimu
6
料理とは人が人に寄せる思いの形なのだと、改めて知らされる一冊。池波正太郎が今でも生きているような、そんな気持ちにさせられた。 お料理好きのグルメにも、もちろんお勧め。2011/01/16