内容説明
いいかい、私は永久に作り続けるからね。最後になった作品の公開後、ヒッチコックはなお次作への抱負を語り、このようにしめくくった。本書は、生誕100年にあたり、彼が残したユーモラスな短文、スピーチ、自伝的な回想、インタビューなどをまとめたものである。
目次
第1部 映画人生(わがスクリーン回想録;スターに囲まれた人生 ほか)
第2部 男優、女優、スターたち(いかにして私はヒロインを選ぶか;スターは必要か ほか)
第3部 スリル、サスペンス、観客(麻酔ガス;なぜ「スリラー」は栄えるか ほか)
第4部 映画製作(わたしたちにも作れた映画;「つまらない」イギリス映画 ほか)
第5部 テクニック、スタイル、そして仕事場のヒッチコック(映画の中の音楽について―スティーヴン・ワッツとの対話;目を閉じて視覚化せよ! ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
ヒッチコックによるエッセイ、インタビュー、講演、更に企画会議の記録や、映画界入りする前(最初の就職先である電信ケーブル会社の社内誌)に書いた掌編サスペンスまで網羅した、貴重な文集。ヒッチコックは若い頃から情報発信に積極的だったらしく、1920年代から雑誌に色々と寄稿していた。この本でも20~30年代のイギリスで映画を撮っていた頃の文が多く、当時のイギリス映画界の状況を知る事が出来る貴重な記録だ。アメリカ映画に対して、イギリス映画の人気が無いのはストーリーの選定や俳優の演技など体制が貧弱だからと手厳しい。2023/05/16
フク
1
★★★★★。ヒッチコックが遺したエッセイ、批評、インタビューなどの貴重な資料を纏めた一冊。スリラー作家として名をなした全盛期はもちろん、トーキー後間もない30年代の映画論まで幅広く収録。最初期からぶれない映画理論を持っていたことに驚く。トリュフォーとの共著「映画論」と共に、映画、映像全般に携わる人必読の書と言える。2012/02/21
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