出版社内容情報
ゴダール・ファンにとってはこたえられない本だろう。彼の映画作りの裏側が見えてくる。しかし、その見え方は、ゴダールの映画のように、通り一遍の見え方ではなくて、裏には裏があるという見え方だ.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』227頁、より)
内容説明
かつてヌーヴェル・ヴァーグの中心人物であり、今もひとり天馬空をゆく活動を持続しているゴダール―その1950年から85年にわたるすべての評論・エッセイ・インタビューなどを網羅する二巻本全集。2は五月革命時代からビデオ時代をへて80年代半ばまでを収める。
目次
毛沢東時代―1967‐1974(宣言;二つの戦線に立って闘う;『ウイークエンド』の撮影 ほか)
ビデオ時代―1975‐1980(異種の映画『パート2』;家を工場として考える;自分が今いるところでつくることが可能な映画をつくる ほか)
80年代―1980‐1985(『勝手に逃げろ/人生』―シナリオ;『勝手に逃げろ/人生』―紹介;労働=愛=映画 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tyfk
9
とりあえず「ビデオ時代1975-1980」から読む。 「サイレント映画が大衆的なものだったのは、ものごとを言いあらわすんじゃなく、ものごとを見せたからだ。サイレント映画というのは、きわめて強力なものだったんだ。ヴァルター・ベンヤミンもアドルノにこれと同じことを言ってる。つまり、トーキーが導入されたのは、産業が無意識に、サイレント映画がもっている力に恐れをなしたからだということだ。2024/03/08
フク
1
まだ見ぬ過去の名作、傑作に想いを馳せずにはいられなくなる、映画批評家としてのゴダールやヌーヴェルヴァーグ界隈の若者たちの地力を感じさせる文章である。未見のハリウッド映画の旧作が山のようにあることヘの喜びと恐れを再確認。2016/09/16
ULTRA LUCKY SEVEN
0
こんなんめっさ高いし、図書館や研究家の本棚にしか置かれないんだろうけど、もったいない。評論家やインテリに持ち上げられてしまったゴダールだけれど、この人の語る言葉は普通の人びとにも響く。2012/03/05