肉への慈悲―フランシス・ベイコン・インタヴュー

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  • サイズ A5判/ページ数 226p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784480872814
  • NDC分類 723.33
  • Cコード C0071

出版社内容情報

あの緊張と強度のただ中に描かれたベイコンの肖像画の数々とは何なのか。現代美術の最大の古典的書。

内容説明

美術史上最も重要な書、ついに邦訳なる。作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです。そしてもう自然主義的なリアリズムなどあり得ないのですから、まったくあらたなリアリズムを創造して、神経組織に直接伝わるようなリアリティーを見いだすべきなのです。―意思を失おうとする意思、過剰な強度を切望する精神を持ち得るもののみが語り得る、世紀末に相応しいおそるべき書。図版多数。

目次

インヴュー(1)1962年
インタヴュー(2)1966年
インタヴュー(3)1971・1973年
インタヴュー(4)1974年
インタヴュー(5)1975年
インタヴュー(6)1979年
インタヴュー(7)1979年
インタヴュー(8)1982年
インタヴュー(9)1984年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tonpie

14
ベイコンについて、飲んだ時に老画家から聞いた話。「20代の頃ロンドンのテイトギャラリーで見た。最上段からどんどん低い段に下がってきて、最後は特別室」「友人は、自分がやりたかったことを全部やられたと言って、工芸に転向したよ」。そのベイコンのインタビュー集は、私の愛読書です。今回、次の3点を確認。①彼は何よりもまず「言葉の人」だった。この知力の漲る「言葉」が無ければあの「画」もあり得ない。②現代の画家なら、美術史を自分なりに再体験して理解していなければ話にならん。③創造のためには羞恥心を棄てろ。以上で~す。2020/06/07

脳疣沼

2
とても素晴らしい本。なんと言ってもわかりやすい。こんなに絵描きとしての自分のことを率直に語っているとは!なんか、あとがきを読むとインタビュー内容に疑義があるとか書かれてるけど・・・。でもまあ、ベイコンの絵に限らず絵の見方のヒントになるような本です。 2018/12/07

ねこ

2
絵自体よりその思想に惹かれる。具体的形態をもちながらかけ離れたイメージを引きだす整った絵が理想らしい。「肉の川からモチーフが浮かび上がる」という言葉がいい。レンブラントとベラスケスを知りたくなった。2017/08/25

A.T

2
国立近代美術館での展覧会に合わせて読んでみておもったのは、ベーコンも恋人との関わりの中で作品つくりをしてきたのだということ。もちろん、本の中では明言はさけているけれど、彼の琴線に触れた恋人の存在を実際の作品と、この本の両面から感じることができた。

南禅寺の小僧

1
ベーコンは実にまっとうにモダニズム絵画の達成を反映させた芸術家だったのだなと思った。己の作品は表層的であると再三強調し、芸術を制御と偶然の葛藤として捉える。興味深かったのは、油絵というメディアの制御の難しさを強調するベーコンが、作品が生成される過程を録画するというバージョン管理的な発想にたどり着くところである。2016/01/07

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