出版社内容情報
ロマネスク美術の宝庫カタルーニャ美術館の魅力を、その歴史と共に、あますところなく紹介する。
目次
第1章 美術館の生い立ち
第2章 美術館を創った時代
第3章 美術館とスペイン内戦
第4章 ロマネスク期コレクション
第5章 モデルニスム・コレクション
第6章 美術館への期待
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
259
著者の鈴木孝寿氏は松下電器在勤中に欧州本部長等を務め、その間1981年~1983年までバルセロナに滞在。いわばアマチュアなのだが、本書は研究者の書くレベルに比しても全く遜色がない。最初にカタルーニャとバルセロナの歴史から説き起こし、カタルーニャ美術界の動向と、スペイン内戦期のたいへんな時期のカタルーニャ美術を語る。次いで、ロマネスク期のコレクションの解説(この部分こそがカタルーニャ美術館の最も貴重なコレクションである)、そしてそれ以降のモデルニスム・コレクションへと考察を進めて行く。2024/09/10
ヒラタ
2
先ずは、辺境ともいわれるピレネーの地に何故沢山の教会が建てられたか(イスラムも山奥深くは攻めてこなかった、国土回復運動による富の集積及び犠牲者への鎮魂など)から、何故教会から絵が剥がされることになったか(海外への流失の阻止)などを詳しく書かれたいます。カタルーニヤ美術館ができるまでのジョセップ・リーモナの努力と内戦時のフォルク館長の自らを犠牲にしてもの強さ 私たちが旅行で観賞できたのは彼らをはじめ名前のあげられない人達のお陰なのだと思いました。知ることができて良かったです。2016/09/30