出版社内容情報
エロ雑誌、性具、パンパン宿、ゲイバー、夫婦交換など、戦後日本の性風俗を作り出した達人たち。戦争の傷を負い、高度経済成長の陰に咲いたエロの花々を描く。
内容説明
戦争、オリンピック、バブル…。されどエロの日々。性風俗研究家が出会った、戦後性相史に残る傑物たち。
目次
1 戦後性風俗の傑物たち(戦争体験から生まれたSM雑誌;戦争と張り形;焼野原のパンパン宿;テキヤ稼業の旅の空で;愚連隊という戦後派;夫婦交換の環を広げた人;ゲイバー文化の始まり;究極の解放はスワッピング)
2 風俗ライターは見た(巷に生きる女たち;風俗取材ノートから;同時代史の資料をさがして)
3 むかし戦争があった(母のパニック;昭和一六年のこと;中国戦線のこと;飢餓地獄;戦記について)
著者等紹介
下川耿史[シモカワコウシ]
1942年福岡県生まれ。著述家、風俗史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
8
『奇譚クラブ』は1947年に『泉州日報』という地方紙の記者・吉田稔が創刊。同誌がSM雑誌となったのは、編集者・須磨利之(海軍帰還兵)のせい。彼は1950年に飛田新地の銀巴里楼で「縛られ女郎ショー」を始めた(足抜けを試みた女郎が失敗して折檻される)。のち、輜重兵だった辻村隆が加わり、解けづらい陸軍縛りを行う。対して、船の縛りは解き方がある。責め絵師・伊藤晴雨の縛り絵は一般的ではなかった▲須磨は平凡パンチ(1964創刊)を見て、『SMマガジン』(1968)を作る。が、「サスペンス&ミステリー」の略。…2020/04/11