出版社内容情報
死者およそ1400万。ドイツとソ連が敢行した史上最悪の大量殺戮。その知られざる全貌がいま初めて明らかに。全世界で圧倒的な讃辞を集めた大著、ついに刊行。
内容説明
ウクライナ、ベラルーシ、ポーランド。ドイツとソ連に挟まれ、双方から蹂躙されたその地で何があったのか?歴史の闇に封印された真実がいま明らかに―。世界30カ国で刊行、圧倒的な讃辞を集めた全米ベストセラー。知られざる大量殺戮の全貌。
目次
序論 ヒトラーとスターリン
第1章 ソ連の飢饉
第2章 階級テロル
第3章 民族テロル
第4章 モロトフ=リッベントロップのヨーロッパ
第5章 アポカリプスの経済学
第6章 最終解決
著者等紹介
スナイダー,ティモシー[スナイダー,ティモシー] [Snyder,Timothy]
1969年生まれ。歴史学者。イェール大学教授。専門は近代ナショナリズム史、中東欧史、ホロコースト史。1997年、オックスフォード大学Ph.D
布施由紀子[フセユキコ]
翻訳家。大阪外国語大学英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shintaro
67
著者のティモシー・スナイダーはホロコースト史が専門。こういう専門分野があることにも驚くが、内容も驚き。筆者はポーランド、ウクライナ、ベラルーシ、バルト三国をブラッドランド(流血地帯)と定義する。1933から1945年までこの地で非戦闘員およそ1400万人が殺害されたという。振り子の揺れのように占領者が変わるこの地。そして、大量殺人を開始したのはスターリンだという。アウシュビッツは西側に見える一部で、これまでみえなかったカチンの森のような事例が枚挙に暇がない。モチベーションが上がらない読書となった。下へ。2016/05/05
ゆかーん
66
ブラッドランド=「ヒトラーとスターリンの覇権主義政策が重複した流血地帯」という意味だそうです。第二次大戦の虐殺といえば、ユダヤ人の殺害が有名ですが、それ以上に恐ろしい計画が、ソ連で行われていたことに驚愕ました!国民社会主義を成功させるために、国民を餓死に追い込み、無差別処刑を行ったスターリン。初めて民族集団抹殺を実行したのも彼なのですから、ヒトラー以上に恐ろしい男です。ソ連とドイツから侵略されたポーランドは、まさにブラッドランドの境界線に位置しており、数多くの人たちが飢えと銃弾により亡くなっています…。2017/10/04
harass
57
歴史学者の著者は、ヒトラーとスターリンの両方に侵略虐殺の限りをつくされた地域をブラッドランドと名づける。ショッキングな歴史の事実であるのだが、三面記事を読むような下世話な軽い気持だと途中で読むのが嫌になってくる。こういう本に慣れている自分でも嫌気が差してきた。だが、ナチによる虐殺の本は多数あり、少ないがソ連による虐殺についての本もあったが、全体的な歴史、ロシア革命直前からの虐殺史を順を追って語っていくのスタイルに感心。当時の世界情勢などの影響も語られていて興味深かった。杉原千畝のことも言及されている。2016/06/04
GAKU
54
「ブラッドランド」とは,ポーランド中央部からウクライナ,ベラルーシ,バルト諸国,ロシア西部に広がる地域。1933年から1945年までの間に,戦闘任務に就いた兵士以外に1400万人が死亡。ソ連共産党の成立、スターリンがおこした食糧政策の失敗によるウクライナ、べラルーシ、カザフスタンの住民の飢餓による大量虐殺、強制移住政策や秘密警察による住民の大量殺害等ヒトラーのユダヤ人虐殺に隠れてしまっているスターリンの大量虐殺が記録。ヒトラーのナチスドイツの政権成立過程からユダヤ人大量虐殺も記述されています。 2016/05/25
飯田健雄
48
上下巻とも読了。訳者の布施由紀子さんが言っているように「読むのがつらい」、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、時間、体力、資金があれば、行ってみたい。著者のティモシー・シュナイダーがいっているように、570万人のユダヤ人がなくなったではなく、1×570万人には、本当にそう思う。一人一人の人々の暮らしがあったのだから。本質が数値化され、実存が後退する時、全体主義が跳梁跋扈し、殺人は、倫理・道徳なきノルマとなっていく。2018/04/02
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