出版社内容情報
人類の親戚としてのネアンデルタール人を、最新の研究の知見をもとに親愛をこめて描く。
人間に関心のあるすべてのひとに――ユヴァル・ノア・ハラリ
内容説明
けが人をケアし、肉を加熱調理し、ホモ・サピエンスと交配した「わたしたちにもっとも近い人類」。その文化や暮らしを、最新の研究をもとにいきいきと描く。
目次
最初の顔
川が木を倒す
成長する体
息づく体
氷と火
岩石は残る
物の世界
食べて生きる
ネアンデルタール人の住居
あの土地へ
美しい物
内なる心
さまざまな死に方
血の中のタイムトラベラー
結末
不滅の家族
著者等紹介
サイクス,レベッカ・ウラッグ[サイクス,レベッカウラッグ] [Sykes,Rebecca Wragg]
英国の考古学者。中期旧石器時代、特にネアンデルタール人を専門とする。シェフィールド大学で博士号、ボルドー大学でマリー・キュリー博士号を取得し、PACEA研究所にてマシフ・サントラル山地のネアンデルタール人および先史時代の遺跡に関する研究に従事。現在、リバプール大学の考古学・古典学・エジプト学部の名誉フェロー、ボルドー大学の名誉フェローを務める。科学啓蒙に広く関わり、テレビ番組でサイエンスコミュニケーターとしても活躍している。ウェールズ在住
野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
152
ネアンデルタール人は愚鈍だという固定観念を覆す。またDNA調査から我々にも一部、彼らの血が流れていることが判明。特に最近の10年も発見のラッシュで目が離せない。石器製作手順もHサピエンスとに違いは押圧剥離と変性を意図した加熱が無かったぐらいで、多様な技を開発していた。奇行による食性の変化を見てみると、その時代に必要な彼らの最大限の努力が伺われ、適応力が劣っていたとは考えにくい。過去の文献の「彼らは○○の所為で滅んだ」などの安易でわかりやすい説明は見直す必要がありそうだ。2023/12/01
まーくん
91
1856年、現ドイツ、デュッセルドルフ近郊ネアンデル渓谷で発見されたネアンデルタール人。当初、類人猿と我々人類との間に位置づけられたが、その後の研究により原始的な人類などではなく本書原題にあるように、我々ホモ・サピエンスに最も近い、従姉のような「親戚」だという。遠い昔、共通の祖先から分かれ、ある時期には共存(競合?)していたこともあるが、約4万年前に絶滅したという。専門家による遺跡の調査というのはまるで鑑識のよう、微細な証拠を積み上げ、彼らの日常生活や家族・社会のあり方まで、想像たくましくストーリーを⇒ 2023/02/19
やいっち
74
本書の世評の高さは、実際、「人類の親戚としてのネアンデルタール人を、最新の研究の知見をもとに親愛をこめて描く。人間に関心のあるすべてのひとに――ユヴァル・ノア・ハラリ」という評が刊行された昨年早々と出たほど。2022/12/19
羊山羊
23
分子学レベルの分析で、今まで馬鹿にされてきたネアンデルタール人の汚名を返上する1冊。教科書書き換えクラスの偉業じゃあないか。従来、サピエンス種との生存競争(物理)の結果敗北したと思われていたネアンデルタール。その生活を分析するのに分子の目という新たな視点での研究成果が適用されたことで得られた発見はとても貴重なものだ。今までの「単独行動的で、身体能力は優秀だが知識に欠ける」というネアンデルタールの定説をひっくり返す。2022/12/04
美東
21
”KINDRED:Neanderthal Life,Love,Death and Art"(2020) を原題とする、英国の考古学者R.W.サイクスの労作である。1856年のネアンデル谷での化石人類の発見から始まり2019年!最新の事例の報告まで、ネアンデルタール人の人生、誕生から成長そして死に至るまでの生活と文化に関する研究成果を満載している。2022/12/29
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