出版社内容情報
絶滅したマンモスのDNAからクローンを作り、野生に放つ──それは本当に可能か? 復活させて危険はないのか? 第一線の科学者が現実味と展望を熱く語る。
内容説明
モアにドードー、リョコウバトも復活!?「マンモスパーク」実現に向けて日夜奮闘する科学者が、現実味から問題点まで、あなたの疑問に熱く答えます。
目次
第1章 絶滅を反転させる
第2章 種を選択する
第3章 保存状態のよい標本を見つける
第4章 クローンを作製する
第5章 交配で戻す
第6章 ゲノムを復元する
第7章 ゲノムの一部を復元する
第8章 さあ、クローンを作製しよう
第9章 数を増やす
第10章 野生環境に放つ
第11章 踏み出すべきか
著者等紹介
シャピロ,ベス[シャピロ,ベス] [Shapiro,Beth]
1976年生まれ。アメリカの進化生物学者。カリフォルニア大学サンタクルーズ校で生態学および進化生物学の准教授を務める。専門は古生物DNAで、マンモス、リョコウバト、ドードーなどのDNA解析の第一人者として活躍。2009年にはマッカーサー財団のフェローに選ばれ、今後が期待される気鋭の女性科学者
宇丹貴代実[ウタンキヨミ]
1963年、広島県生まれ。上智大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
51
面白かった!絶滅生物を甦らせる「脱絶滅」という概念が主軸にある。「つくりかた」という邦題は何か軽いエッセイを思わせたが決して軽薄ではない。途中で確認したら原題は「How to clone a mammoth」であり成程直訳的邦題なのだ。絶滅した生物を再び甦らせることは人類の永年の夢でもある。その過去の手法、現代の最先端の技術などをかなり詳しく説明しながら、単にクローン技術を追求するだけでなく再生した生物の役割、どう扱われるべきか、何の役に立つのか、など社会的観点からの非難、問題点にも論及される。2022/06/05
イノ
23
そもそも何故復活させるのか、から始まりドードーではダメなのか、 生態系の影響は? 育てて自然に帰すには? とそこも考えるかってくらい広い視点から定義していく。 そして具体的なやり方が猟奇的。 マンモスのゲノムを解析しソースコードを書き換える様にゾウのDNAを編集。生まれたゾウがどう変化したか確認してまた編集。 読んでてちょっと気持ち悪くなった。 鳥類はクローンが作れない! ゴールはマンモスの復活ではなく生態系の復活。だから正味寒さに強いゾウでもいい。ワクワクよりも恐ろしさが勝った。2016/12/10
yyrn
6
「どうやって」という遺伝子操作の話が中心かと思ったら、その前に「なぜ」絶滅種をよみがえらせる必要があるのか「誰が」決定するのか「判断基準」は何かと畳みかけるように、「技術」を論ずる前の「倫理」や「法律」、復活後の「取り扱い」にまで言及し、復活にかける本気度が感じられる大変意欲的な本で、読み応えがあった。実現の可能性は以前読んだ「宇宙エレベーター」とどちらが高いのか見当もつかないが、ぜひマンモスの群れを北極圏の雪原によみがえらせてもらいたい。ちなみに、草食系のマンモスの毛色は栗毛?グレイ?白?黒はないか!?2016/09/02
ソフトバンク
5
技術が確立すればジュラシックパークは現実世界になると思っていたが、100%ないと分かった。御託はいいからさっさとマンモスを造りの本題に入れと思って読んでいた自分は、マンモスのクローン成功か!?とはやし立てるメディアと変わらなかった( ̄□ ̄;)!!マンモスを甦らせる意義には賛同できない。現時点では。読む度にどっちに転ぶか分からないくらい難しい問題だった。『何もしないコスト』ヘビィ過ぎるぞ2017/04/08
vonnel_g
4
面白い。マンモスを代表とする絶滅動物を復活させるとしたら、どんな風に作ればいいの?そしてまた復活したとしたらその後はどうするの?という部分が実際の研究に照らし合わせて描かれている。作りっぱなしというわけにいかないものね。北米への象の再導入の話は「捕食者なき世界」でも出てきたけれど、こんな気の遠くなるようなお話だったとは。2016/04/14
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