内容説明
数学者Goro Shimuraの幼年時代、プリンストン、そして「あの予想」。
目次
切繪図の世界
茶色のランドセル
宇宙の構造
子供の悩み
中学では
終戦前後
死について
いかに学んだか
邪念と〓(きょう)慢
大学の三年間
数学者としての出発
教える身になって
フランスでは
プリンストン研究所では
東京に帰って
大阪での一年
再びプリンストンに
なぜあの文章を書いたか
所かわれば
ユー・ウィル・ファインド・アウト
向う側
方程式を解くとは
知の継承が生む創造力
あの予想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
15
数学者志村五郎先生の著作。自叙伝的な作品だが、数学関連の著作が非常に面白かったので読むことにした。教育・戦前と戦後の生活・海外旅行・数学者の交流等々、扱っている内容には取り留めのない印象があるものの、時に手厳しく、時に感傷的な文章に惹かれて読み続けた。良くも悪くも正直にものを言う人なので、志村先生の事が嫌いな人もいるようだが、家族写真なんかを見るとそんな手厳しいだけの人ではないと感じたりも。日本の教育の「愚劣」な部分に関しては、今でもその通りだと思う。2015/10/12
オザマチ
9
再読。自分もあまり狭い分野に腰を下ろさないで、色々とやっていきたいなぁ。2024/08/31
mit
9
数学者志村五郎の記憶の断片を貼り合わせたような自叙伝。自分と他人を含む世の中を別の自分が見ているような冷めた目を持つ著者は、社会や世界をよく観察し、世間と関わりながらもどこか冷めた意見を述べる。他の数学者に対する辛辣な評価は一読に値するが厳しすぎる。旧態依然とした教育への批判には共感できる。授業を聞けば教わることがあるかもしれないが、その他により重要で今後必要になることを自分で学ばなければならないのであれば、その授業は時間の無駄である。基本的なことは時代と共に変化し、新しい基本を理解することが重要である。2015/01/09
しろくまZ
1
谷山・志村予想で有名な数学者志村五郎のエッセイ。ほとんど感想が湧いてこない珍しい本。「ああ、そうですか」という感じ。志村氏のエッセイではなく、数学のテキストや論文を読むべきですね。2015/01/30
渓流
1
続編「鳥のように」を読んで気になっていたので読んでみた。文は人なりというが、彼のものの考え方が随所に現れていて、数学で一つのことを成し遂げる才能とはこの性向から出てくるものだと実感させてくれる回想録である。自分の数学に対する絶対の自信が随所に表出していて、この自信が数学者の彼を形作ったのであれば、それはそれでよいが、75歳にして未だ角張っているネ。まあ、その、ある種の小気味良さに魅かれて、本編を手にしたのではあるが。2010/06/10
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