内容説明
誘導モーターを発明し、交流送電の実用化に大きな功績を残したテスラ。ところが彼は、殺人光線・人工地震兵器など超兵器開発の先駆者として、怪しげな伝説に彩られてもいるのだ。本書はこの天才発明家の虚と実を、厖大な資料を駆使しつつ検証する。日本で初めてのニコラ・テスラ正伝。
目次
第１章 よみがえる超人
第２章 クロアチアの神童
第３章 突破
第４章 栄光
第５章 さらなる高周波の世界へ
第６章 無線システムとラジオ
第７章 コロラドスプリングスへ
第８章 栄光と挫折の大西洋
第９章 見果てぬ夢
第１０章 人生の秋
第１１章 死と伝説
第１２章 テスラと現代、そして未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トリオネア
10
潔癖症で女性と食事を共にする事も難しく、晩年は親友でさえそばに近づけなくなった天才二コラ・テスラ。しかし、愛する鳩は例外で、中年の頃から飼いはじめ公園での餌やりを忘れず、弱ったものなどはホテルの部屋で看病した程だった。人工的な地震を起こし、地球を割る事も出来ると豪語したテスラだけど、日本人が興味を持ちそうなのは地震の解消法かな。2019/05/31
elf51@禅-NEKOMETAL
3
交流発電を発明したニコラ・テスラのまじめな伝記である。「科学と神秘主義」の間にいた人だが，科学は人の予想もつかないことをやってのけるから，外から見る人には不思議に見えるし，思想がなければ仮説も出てこず発明もない。金儲けに熱心になれなかった悲運の人。もっと評価されてもいいのだろう。映画「プレステージ」でデビッド・ボウイがニコラ・テスラを演じていたが，あのイメージはぴったりだった2017/12/23
ふん
2
ニコラ・テスラを初めて知ったのは「コーヒー&シガレッツ」かも。発明の才能に対するビジネスセンスのなさがすごすぎる…。天才がその才能を使い果たすことなく世間から忘れられていったというところにピンク・フロイドのシド・バレットを思い起こしました。マーク・トウェインと親友だったというのは激アツですね。2019/07/14
watershed
2
トマスピンチョンの逆光でこの本を知り、テスラ自動車はニコラ・テスラに由来することから興味を持って読むことにした。テスラの業績、ビジネス、人物像、交遊関係等多方面にわたり丁寧に調べて、できるだけ客観的に描いている。ただ、電磁気学の基礎知識がないのでテスラの発明の画期性が今一つわからなかった。 鳩と恋愛関係になったり、アインシュタインの相対性理論を理解できなかったりといった晩年のエピソードが、人間としての悲しみをじわじわと感じ、印象的だった。2017/07/10
ochatomo
2
電気のはじまりを知りたくて読む 交流電力と無線通信の祖であり「電気の魔術師」 高度な数学物理学機械学を駆使し、レーダー等時代を先取りする発見と壮大なスケール 1993刊2016/04/13
