内容説明
みずからの選んだポリスという国家での生活が、彼らに厭世的な運命観をもたらした。彼らは、その重圧を和らげるために、さまざまの祭りを楽しみ、占いや神託に助言を求め、またそれに抗して、政治と軍事、学問と芸術に生を燃焼させた。古代ギリシア人の宗教と人生観を述べる白眉の巻。
目次
第3章 宗教と祭祀(転身〈メタモルポシス〉;ギリシア人とその神々;ギリシアの英雄神〈ヘロス〉祭祀)
第4章 未来の探索
第5章 ギリシア的生の総決算
感想・レビュー
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みづはし
1
これは凄い。古代ギリシャ人の人生観、宗教観がここまで網羅的に書かれた日本語の本は見たこと無い。「ギリシャでは老人、病人は軽蔑された」「ギリシャの宗教儀式は家庭に根付いたものであった」「ある叙事詩を、神の姿を反映したものではない、と批判する人もいた(プラトン等)」「ギリシャ人は、ある種の植物、岩、動物は人間が転身したものと考えていた」などなど書かれていた事には枚挙にいとまがない。一応章立てはされているけど、それほど整然とした記述では無いと思う。ただ、原著は150年くらい前の本なので既に風化した説の可能性も。2015/01/26