内容説明
ユングと『黄金の華の秘密』を共同で執筆し、清末の大儒・労乃宣とは「易経」を翻訳し、監訳した「中国古典叢書」がヘッセを感嘆させた知られざる個性を、書簡をはじめとする膨大な一次資料を読み解くことによって描いた初の評伝。
目次
幼年期からボル村に赴任するまで
ブルームハルト父子について
青島に赴任するまで
青島生活の初期
義和団事件の頃
中国文化の研究と翻訳の開始
伝道者の生と苦悩〔ほか〕
感想・レビュー
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ピンガペンギン
17
プロテスタントの宣教師として青島に住み、病院・学校経営をすると同時に、次第に中国文化への理解を深め中国学者・翻訳家として活躍したリヒアルト・ヴィルヘルム(1873-1930)の評伝。ユングとの共著「黄金の華の秘密」あり。若い時にブルームハルトというヘッセとも接点があった牧師の娘婿になり大きい影響を受け、宣教師を志した。1910年に「論語」を出版。(森鷗外もヴィルヘルム訳の論語などを所蔵していた。)ブルームハルトの影響を次第に脱していき、1914年に中国の知識人とキリスト教伝道者の相互理解のため孔子協会→ 2024/04/06