内容説明
解放後の激動にゆれる広東省農村の姿。解放後の村に何が起きたのか。文革とその後の政治の嵐のなかで村の指導者や村人、下放青年たちがどのように考え、行動したのか。村人の暮らしは結局のところどう改善されたのか。公式記録に現れない情報のかずかず。
目次
第1章 チェン村と村の指導者たち
第2章 大四清
第3章 毛首席に学ぶ
第4章 文化大革命
第5章 階級隊列の整頓
第6章 左傾と政策の定着
第7章 婚約をめぐる大騒動
第8章 新たな10年への拡大
第9章 多難な70年代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
中共改革に於けるある最貧困村の歴史と悲哀と、小さな権力闘争。香港へと渡った人々だからできた、インタビューの構成で作られた本。「チェン村の大半の農民は、平和、土地改革、互助をもたらした党を信じ続けていた。彼らは楽天的な保証を信じた…貯蔵された穀物は全然ありませんでした…病気になる人もいて、一部の年寄りは死に…生産が行き詰まり、組織も人びとの士気も打ち砕かれてしまった」「毛沢東と党が1950年代と、そして再び四清運動の期間に約束した夢は消えてしまった。新しい中国とよりよい社会を造る機会は消散してしまった」2023/02/20