内容説明
現代日本の都市の基底をなした近世の城下町プランを、その成立から近代以後の変容まで、「かたち」に焦点を合わせて、全国的に概観する、歴史地理学の書。
目次
近世城下町プランの基調(戦国期のプランから近世的プランへ;モデルとしての近世京都;城下町プランの観相学)
城と城下(「城」と「郭」と;城と城下との関係位置;心象風景のなかの城)
町割りにおける〈秀吉モデル〉(町割りについてのシェーマ;秀吉系城下町の場合;蒲生氏・井伊氏・徳川氏の場合;〈竪〉から〈横〉へ;クライマックス―〈竪〉の消滅)
明治以降における変容(旧城下町の核の部分の変貌;軍施設と官衙・学校の併立;新交通系の登場と作用)
城下町プランの地域別考察(東北の城下町;関東の城下町;近畿の城下町;中国・四国の城下町;九州の城下町)
地域別都市史の試み―中部地方(古代―国府を中心に;鎌倉―室町期;戦国―織豊期;江戸時代)
江戸の空間構造―覚書き(都市域の形成過程;江戸市中の場所性;下町の水路と地割り)