内容説明
ギリシア哲学において真理を語る者の役割は、どのような“問題”を構成していったのだろうか。真理に関して、カントの考古学、ニーチェの系譜学、ウィトゲンシュタインの「ゲーム」の理論をうけつぎながら、真理を語る=パレーシアという語が使われる状況を歴史的に分析・考察し、真理を語る主体と他者との関係から構成される問題に焦点を当てたフーコー最晩年の重要概念。
目次
第1章 パレーシアについて―一九八三年一〇月一〇日の第一講義
第2章 エウリピデスにおけるパレーシア
第3章 民主制の危機におけるパレーシア―一九八三年一一月一四日の第四講義
第4章自己の配慮としてのパレーシア
第5章 グレコ・ローマン期のパレーシア―一九八三年一一月二一日の第五講義
第6章 自己の技術―九八三年一一月三〇日の最後の講義
結論 “問題構成”について
著者等紹介
フーコー,ミシェル[フーコー,ミシェル][Foucault,Michel]
1926~1984年。フランスの哲学者。心理学の成立の条件を解明する『狂気の歴史』、西洋の知の歴史的な条件を分析した『言葉と物』、「系譜学」の方法を採用し、真理と権力の密接な関係を扱った『監獄の誕生』、権力の問題を性の視点から検討したシリーズ『性の歴史』などの作品を残した。晩年には、知の枠組みを解き放つ「統治性のプロジェクト」に取り組み、真理の概念を解体し「ゲーム」とする思想を提示した
中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。思想家・翻訳家。インターネットの哲学サイト『ポリロゴス』主宰。哲学クロニクルでは、世界の哲学の現状を紹介している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
ラウリスタ~
iwri
roughfractus02
yutayonemoto