出版社内容情報
ラカン理論に拠ったスリリングな視点からハリウッド映画を分析し、同時に映画を論じてラカンの核心に華麗に迫る。
内容説明
現代思想の鬼才ジジェクによる映画論=ラカン入門。ラカン理論に拠ったスリリングな視点からハリウッド映画を分析し、同時に映画を論じてラカンの核心に迫るあざやかな“ラカン入門”。
目次
1 「手紙はかならず宛先に届く」のはなぜか
2 「女は男の症候である」のはなぜか
3 「すべての行為は反復である」のはなぜか
4 「男根があらわれる」のはなぜか
5 「父はつねに二人いる」のはなぜか
著者等紹介
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ][Zizek,Slavoj]
1949年、スロヴェニアのリュブリアナ生まれ。哲学・精神分析。ジャック=アラン・ミレールの指導のもとにまとめられた特異なヘーゲル論をはじめ、ヒッチコックに代表される大衆文化(ポピュラーカルチャー)、さらにはヴァーチャルリアリティに至るまで多様な著作で知られる。現在、リュブリアナ大学社会科学研究所上級研究員
鈴木晶[スズキショウ]
東京都生まれ。東京大学文学部露文学科卒業、同大学院博士課程満期退学。現在、法政大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
44
吾輩は、ラカンを読んだことがない。気にはなっているのだが。だからといって、別に本書でラカン入門しようとも思っていない。入門するなら、断固、ラカンの本をどれでもいいから読むってのが吾輩の流儀なのだ。その上でラカン論の本を読むのなら、それはそれで一つの学び方だろう。 本書はラカン論に拠ったハリウッド映画論。あるいはハリウッド映画を題材にしてのラカン論の書。 2019/11/15
またの名
4
ラカンを手軽に知ることができ、おまけにポップカルチャーの分析もついてくる・・・要はいつものジジェク節。『斜めから見る』のテンションに近い。ヘーゲルの「否定的なもののもとへの滞留」のコンパクトな解釈や、象徴界の問題を論じたところが気に入った。「行為」という契機が割と前面に出ている感じで、具体性に欠けるもののジジェクなりの現実における行動指針の提示になっている。「モノ」を対象の中に読み込むなというカント的なメッセージはかなり大事だと思った。みんなすぐに対象の背後のなにかを論じたがるものだから。2012/08/15
0
再読。2017/05/06