幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない―マインドフルネスから生まれた心理療法ＡＣＴ入門

ハリス，ラス【著】〈Ｈａｒｒｉｓ，Ｒｕｓｓ〉/岩下 慶一【訳】

筑摩書房（2015/12発売）

• サイズ B6判／ページ数 288p／高さ 19cm
• 商品コード 9784480843074
• NDC分類 146.8
• Cコード C0011

出版社内容情報

「幸福になりたい」と願う心があなたを幸福から遠ざける。欧米で人気の「マインドフルネス」で、自分の身体や気持ちの状態に気づく力を育てて罠から抜け出そう。

内容説明

もしかしてあなたは、他の多くの人と同じように「幸福の罠」にはまっているのではないだろうか？著者のラス・ハリスは、マインドフルネスと行動心理学の最先端の研究に基づいた革新的な心理療法ＡＣＴのコンセプトとテクニックを分かりやすく提示し、あなたを勇気づけてくれる。

目次

第１部　なぜ幸福の罠を仕掛けてしまったのか（幸福の罠を支える四つの神話；なぜ悪循環が生まれるのか）
第２部　あなたの内面世界を変える（六つの基本行動原則；心は偉大なストーリーテラー；思考は単なる物語である―脱フュージョン　ほか）
第３部　生きるに値する人生を創造する（心の奥底で望んでいること―価値；価値を見つけるための質問；価値が見つからない時は　ほか）

著者等紹介

ハリス，ラス［ハリス，ラス］ ［Ｈａｒｒｉｓ，Ｒｕｓｓ］
医師で心理療法士であり、ストレスマネージメントの権威でもある。自らもアクセプタンス＆コミットメント・セラピー（ＡＣＴ）によって不安との戦いを乗り越えた経験を持つ。国の内外を旅して、人生のコーチや心理学者、医者、その他の医療関係者にマインドフルネスの利用方法を指導するワークショップを行っている。英国生まれで現在はオーストラリア・メルボルン在住

岩下慶一［イワシタケイイチ］
ジャーナリスト・翻訳家。ワシントン大学コミュニケーション学部修士課程修了。主に米国の文化・社会をテーマに執筆を行っている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[いちねんせい]

ACTならまずはこれを読むといいと聞いたのだが、とてもわかりやすかった。原題は"The Happiness Trap"で、日本語版の表紙をみて一瞬躊躇した。脱フュージョンや観察する自己についてなどとてもわかりやすい例とともに書かれていて、学び学びの一冊だった。

2019/10/22

[Maybe 8lue]

嫌な感情に名前をつけ、次遭ったときは「またこれか」と分別してゴミへ。さあ、免疫力あげていきましょ。

2020/08/10

[ネロ]

「思考」のあれこれになんだか読むのに苦労した。冗長に感じたり訳がよくない？自分が楽観的な方なのでネガティブに困っている時でないと手に取る本ではなかったかもしれない。とは言え印象に残ったことは多い一冊。『この思考は役に立つのか』この考え方は素晴らしいと思った。イメージや思考は思考でしかなく、その思考が役に立つ時だけ注意を向ける。コントロールできないことよりもコントロールできることに集中する。目標と価値にわけ、価値に繋がる行動をとること。「人生は、得られたものを最高に生かした人々に対して最も多く与える」

2021/07/11

[ポワン]

【世の中に溢れる『幸福であれ！』は全てが神話で罠である。】◎書名は自己啓発本の様に感じたが、中身は心理療法ACTがベースで、主にマインドフルネスのテクニックが記されている。◎「思考は、単なる物語である。」「心はストーリーテラーでしかない。」この2文だけで救われる人は現代社会に多い気がする。◎思考に囚われ、不安に襲われた時は、『私は（不安に思っていること）と考えている。』と脱フュージョンをして、距離を取り、自身と感情や悩みを切り離すことが大切。◎何度も読んで、馴染ませていきたい。

2020/10/07

[センケイ (線形)]

教えてくれたかたに感謝。メタ認知で感情と生産的に付き合える予感はしていたが、やはり具体的な手法をこうして読んでみると実りがぜんぜん違う。確かに、嫌な感情を追いやることは、まったく重要でないとは言わないが、自分の目的に沿っているとは限らない。それはそういう事実として先に進むことはできないか。どうすれば「そういう事実」として受け入れられるのか。これらの手法を洗練すれば、自分の目指すべき方向はもっと精緻になるだろう。

2020/09/30