出版社内容情報
韓国で130万部、映画化された『82年生まれ、キム・ジヨン』著者の次作短編集。「次の人」のために立ち上がる女性たち。解説=成川彩 帯文=伊藤詩織、王谷晶
内容説明
セクハラにあった女性が闘い続ける理由とは?地下2階の部屋に住む女子生徒の悩みとは?胸を打つ28編。
著者等紹介
チョナムジュ[チョナムジュ]
1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。放送作家を経て、2011年、長編小説『耳をすませば』で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞を受賞。『82年生まれ、キム・ジョン』で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ウッディ
123
セクハラ上司とそれを隠蔽しようとした会社を訴えた女性、選んだウェディングドレスや新居のカーテンの色にも注文を付けてくる姑と庇ってくれない夫に離婚を突き付けた新妻など、代名詞ではなく、名前を持つ一人の女性として声を上げ、辛い思いをするかもしれない女性のために声を上げた28編の物語。「82年生まれ、キム・ジヨン」で語られた韓国社会で虐げられる女性達の声を集めたドキュメント。日本以上に旧態依然とした男尊女卑が残っていた韓国も、彼女たちの声によって、ジェンダー指数で日本を上回ったことを我々は考えなければならない。2021/09/25
mariya926
118
色々な女性としての苦悩が書かれています。読みながらきっとそうなんだろうなと思う内容。あまりニュースを見ていないので梨花女子大学で2016年に大学でデモが起こっていたなんて知りませんでした。少しずつ文化が変わっていっている間にいる私たちが描かれています。2023/07/17
lily
116
映画ライターの紹介した韓国映画は全て私のお勧めでもある。韓国人の女性は強い。闘うことを躊躇うことはしない。日本でも100万人の蝋燭集会は無理でもストライキくらいしてもいいのに。韓国より日本の方が現状は酷いのに。韓国では給料の為ではなく言論の自由の為のストライキもあるのだよ。2020/10/29
fwhd8325
115
似ているようで全く違う。隣の国だけどそこは遠い国のようだ。どの物語も短いが内容は重く濃い。第1章を読んだだけで胸が苦しくなうような思いでした。著者は「82年生まれ、キム・ジョン」で衝撃を与えたが、ここでもたくさんの問題を提起している。日本でも同じような問題があるはずなのに、声があがらない、動かない。ジェンダーとしての問題ではなく国際社会の一員としての問題だと思う。日本が取り残されていくようで怖い。2021/06/14
モルク
97
「82年生まれキム・ジヨン」の著者による28の短編集。キム・ジヨンは差別の理不尽さを説くがそれに耐えていた女性であるのに対し、本編に出てくる女性たちは差別、セクハラ、パワハラ、モラハラなどに立ち向かっていく。とても逞しい。いろんな理不尽な思いの中、かつてはそれを仕方ないと受け入れていた自分がいた。でも私達が若い頃はもっと酷かったと被害者面で言う年配者にはなりたくない2023/04/14