内容説明
めぐりあう騎士たちの華麗な冒険。15世紀の原典「キャクストン版」、本邦初の完訳版。ビアズリーの豪華流麗な挿絵500点を完全収録。あらゆる西欧ファンタジーの源泉。その全貌が初めてここに明らかに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
37
表紙は媚薬を飲むトリストラムとイソード。うっとりします。もちろん物語も、前巻末で予告されていたガレス卿の冒険に続いて「トリスタンとイゾルデ」のパートへ。恋の苦悩は二の次という印象なのが残念ですが、やはり騎士様は冒険してこそ! トリストラム卿の冒険では、イソードを巡って戦い、その後腐れ縁的な関係になっている異教徒の騎士パロミデス卿との関係が気になるところ。モルガンからアーサーと王妃、ラーンスロットの関係をあてこする柄の楯を受け取ったトリストラムがそれとは知らずアーサー王の馬上槍試合に参加したところで次巻へ。2017/10/23
em
15
冒険を求めて国の周囲を馬で乗り回し、出会い頭に死闘をくり広げる騎士たち。失礼ながら流れの無法者すれすれに見えてきてしまい、「騎士物語だから」と自分に言い聞かせる。馬上槍試合は実際にはとんでもない競技ですが、やはり心躍ります。ビアズリーの挿絵は武具もデザイン性が高く細身で、羽根のような軽さに見えてうっとり。衝撃シーンは、イソードが自害しようとしているその時、出奔し裸で森を駆け回るトリストラム。これもある種の貴種流離なのでしょうか。苦悩ゆえなので笑うところではないと思いつつ、妙に詳細な描写につい…。2017/11/24
viola
13
トリストラム卿(トリスタン)と美しきイソード(イゾルデ)の物語も含まれているこの第2巻。アーサー王の影、うっすいです。 秘薬を飲んだから恋に落ち・・・・だと思ってたけれど、その前に恋に落ちてるじゃん!イソードの父親は二人を何が何でも結婚させたがっていたようだし、最終的にトリスタンは白い手のイゾルデと結婚しちゃうし・・・・。個人的には『トリスタン・イズー物語』よりも映画『トリスタンとイゾルデ』のほうが好きなのですが、それとはまたかなり異なり、面白いです。2011/02/18
明智紫苑
12
パロミデス…気の毒! トリスタンよりも同情してしまうわ。パロちゃんも結構えげつない事しているけど、トリスタンもかなりの無茶野郎だよ。2016/11/10
マーブル
7
アーサー王の物語第2巻。 マーリンはまったく登場せず、アーサー王もあくまでも脇役としてしか登場しない。 物語の中心は騎士たちの冒険。おもに湖の騎士ラーンスロット卿。そしてラーンスロットと並び称されるトリストラム卿。 騎士たちは冒険を求めて旅をする。 そして馬上試合を繰り返し、槍を振るい、あるいは剣で戦う。 馬から相手を突き落としたり、徒歩で剣を交わす。 時には兜を外し、相手の首を切り落とす。 冒険は腕試し、強いものを倒して名を上げるのが目的か。腕を買われて雇われるのが目的ではあるまい。2019/04/11