内容説明
ひとり息子が接した碩学の素顔。書斎、蔵書、故郷、旅行、家庭、知人…さまざまなエピソードに想いを馳せ、柳田国男の日常生活のなかでのことば、思考、行動、学問など、素顔の人間像を浮き彫りにする。18編のエッセイと、インタビュー。
目次
父を送って
遺したことば
「門内の小僧」の立場から
飯田柳田家
信州の人びと
自然科学観寸描
市ヶ谷時代
各所講演同行の記
成城移転
父と蔵書〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
4
子供は親を対象化して考えることがないから、案外親のことを知らない。というより、いちばん知ることが難しいのが親かもしれない。自分も死んだ父のことはほとんど知らないのだが、最近戦中派世代に関するものを読んで、そういえば父も青春が戦争体験によって刻印されている世代なのだと今さらながら気づいたくらいである。子供の目から見た柳田はモダンで気さくなスタイリストである。自然科学の素養がないことに劣等感を感じて、息子には科学的な考え方をすりこもうと努力していたりなどする。一般的なイメージとは違うが、自分には想像ができる。2019/07/05
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