内容説明
童話作家として、『春と修羅』の詩人として知られる宮沢賢治は、「短歌」の制作を出発点とし晩年は「文語詩」の推敲にうちこんだ。これまで探索の手が届かなかったこれらの作品に現代短歌界の第一人者である著者が鋭利な批評のメスを入れる。
目次
文語詩の発見―吉本隆明の初期「宮沢賢治論」をめぐって
「文語詩稿」の意味
宮沢賢治短歌考
賢治の歌私注
「歌稿A」に関する覚え書
いたつきてゆめみなやみし―「文語詩稿」を読む
不眠と労働
親方と天狗蕈
サラアなる女
サラアなる女の伝説
凶作地の小学教師
林館開業 選挙―ふたたび「文語詩稿」を読む
林館開業 崖下の床屋
小沢俊郎について
永久で透明な生物の群が… 日記抄
「文語詩稿」や短歌の評価ということ