内容説明
現代日本文学の「衰弱」は、分裂、解体した自己意識をいかに書くか、その方法の貧困にある。―いま文学の変るときを主張する著者初の文学論集。
目次
20世紀小説としての『明暗』
永井荷風
二葉亭四迷
『浮雲』と『あひびき』―真面目な雑談と質問
白樺派の少年文学
模倣と新奇―宇野浩二
《方法》としての横光利一
百年遍歴の夢―牧野信一
横田瑞穂先生の思い出
木村彰一先生の思い出
白鳥の告別式
わたしの白秋体験
ゴーゴリ綺譚
異様なる往復書簡―『貧しき人々』
フィクションの快楽―『西遊記』〔ほか〕