出版社内容情報
米軍占領下に起きた公安刑事射殺事件。共産党員の犯行とされ、刑に服し冤罪を訴えた者、中国に亡命し生涯を終えた者……。多くの者が沈黙を続ける事件の真相とは。
内容説明
朝鮮戦争さなかの1952年冬、札幌で警察官がピストルで射殺された。白鳥事件の発生である。殺された白鳥一雄警部は共産党弾圧に辣腕をふるっていた。事件は、当時分裂し武装闘争路線を突っ走っていた共産党員の犯行とされた。戦争の傷跡が生々しい時代に革命に希望を見出した若者たちは占領軍や警察に実力で戦いを挑んでいた―。実行犯とされた若者たちは中国へと逃れ幾人かはその地で生涯を終えた。公安事件にありがちな強引な捜査には批判が多く証拠の捏造さえ疑われ、首謀者とされ長期刑に服した者は冤罪を訴え続けた。自らが信じた正義に殉じた人々のその後の姿と事件の真相へ迫る力作ノンフィクション!
目次
第1章 北の街のミステリー
第2章 占領時代の青春
第3章 白鳥事件前夜
第4章 迷走
第5章 獄中闘争
第6章 潜伏
第7章 疑惑の弾丸
第8章 けもの道
第9章 男たちの晩年
最終章 革命に生きた男
著者等紹介
後藤篤志[ゴトウアツシ]
1948年北海道紋別市生まれ。元北海道放送記者。北海道庁爆破事件、大韓航空機撃墜事件などを取材。北方海域のレポ船の暗躍をスクープしたドキュメント「黒い海図」で放送文化基金賞。夕張炭鉱事故と地域崩壊を長期間追った「地底の葬列」で芸術祭大賞など社会派ドキュメンタリー作品で多くの受賞歴。その後、編集長、報道局長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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