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亡命者―白鳥警部射殺事件の闇

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480818379
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0095

出版社内容情報

米軍占領下に起きた公安刑事射殺事件。共産党員の犯行とされ、刑に服し冤罪を訴えた者、中国に亡命し生涯を終えた者……。多くの者が沈黙を続ける事件の真相とは。

内容説明

朝鮮戦争さなかの1952年冬、札幌で警察官がピストルで射殺された。白鳥事件の発生である。殺された白鳥一雄警部は共産党弾圧に辣腕をふるっていた。事件は、当時分裂し武装闘争路線を突っ走っていた共産党員の犯行とされた。戦争の傷跡が生々しい時代に革命に希望を見出した若者たちは占領軍や警察に実力で戦いを挑んでいた―。実行犯とされた若者たちは中国へと逃れ幾人かはその地で生涯を終えた。公安事件にありがちな強引な捜査には批判が多く証拠の捏造さえ疑われ、首謀者とされ長期刑に服した者は冤罪を訴え続けた。自らが信じた正義に殉じた人々のその後の姿と事件の真相へ迫る力作ノンフィクション!

目次

第1章 北の街のミステリー
第2章 占領時代の青春
第3章 白鳥事件前夜
第4章 迷走
第5章 獄中闘争
第6章 潜伏
第7章 疑惑の弾丸
第8章 けもの道
第9章 男たちの晩年
最終章 革命に生きた男

著者等紹介

後藤篤志[ゴトウアツシ]
1948年北海道紋別市生まれ。元北海道放送記者。北海道庁爆破事件、大韓航空機撃墜事件などを取材。北方海域のレポ船の暗躍をスクープしたドキュメント「黒い海図」で放送文化基金賞。夕張炭鉱事故と地域崩壊を長期間追った「地底の葬列」で芸術祭大賞など社会派ドキュメンタリー作品で多くの受賞歴。その後、編集長、報道局長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koba

1
白鳥事件は巷間取り上げられるが、概要はうる覚え。本書でその全体像を知り得たが、亡命した数人は本当に真犯人だったのか今一つうかがい知ることができない。下山事件のような謀略説のにおいもする。戦後の政治背景、北海道の政治事情が微に入り細に入って記されており、その調査・取材の努力は評価したい。2015/09/08

上高野

1
1952年におきた「白鳥事件」はどういう事件だったのか、ほとんど知らずにいた。北海道放送の記者だった著者が事件関係者、実行犯とされた人物にも直接に取材して、本当は何があったのかを追ったルポ。事件関係者の誰もが何かを隠し、本当のことを話さない。警察、検察、裁判所、進駐軍、逮捕された人、中国に逃げた人。そのすべてで、個人が権力と組織に取り込まれ「人に言えないこと」に荷担し、利害や損得に迎合する。「信じた正義」など、ただの言い訳に過ぎないことを本人達はとうに判っている。その点でも優れて普遍的で現代性をもつ。2015/03/24

rinpei

1
高安の後に事件を振り返った言葉「青春時代の深い傷は癒えない。ただ後悔しながらも後悔していない」。 高裁の裁判官で審理のやり直しを一人主張した木谷判事補の言葉「警察官は勿論、検察官であっても、ここぞという重要な場面では平然と違法行為にでる。証拠の捏造やすり替えも平気でやる。違法行為を法廷で認めることはまずない」。 それはそれとして、どの道みんな重いものをしょって生きるしかないんだなあ。2014/07/24

ひうち

0
怖い本です。日本共産党の革命方針に踊らせれて警察官を殺害して中国へ亡命した者。事件後は共産党から離れて暮らす者。いずれにしても、苦労された人生だったと思います。  最後に、大学教授のコメント”事件は怪しいとかではなく。実際にあった事件だ。”が重い。2017/06/29

moonanddai

0
多少人物説明が不足している部分もありましたが、当時の「極左冒険主義」に巻き込まれた、というか踊らされた人たちの「青春」だったということが分かりました。おそらく「計画」というか「方針」は相当高いところから、札幌段階ではなくもっと高いところから降りてきたものなのしれません。結果的に「しっぽ」として切られたのが登場人物たちということでしょう。/松本清張は読みました。実をいうとそちらの「史観(?)」が先入観になっていたこともありましたが、事件の概要(個々の役割ではなく)は見えてきたように思えます。2015/08/24

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