出版社内容情報
桜庭一樹氏推薦!
同じ困難さの中にいて別の形で生き延びている他者の声が確かに聴こえたように、わたしは思って、読めてよかったと思いました。(SNSより)
七海なな、前田敦子、Dr.ハインリッヒ、丸サ進行、愛子内親王――。
愛が消費と常に癒着する。
そのシステムの中で、人はよく生きることができるのか。
すばるクリティーク賞を受賞した新鋭のデビュー批評集。
装画 水野里奈《外にない庭》2016年、キャンバスに油彩、ボールペン
内容説明
七海なな、前田敦子、Dr.ハインリッヒ、丸サ進行、愛子内親王。愛が消費と常に癒着する。そのシステムの中で、人はよく生きることができるのか。すばるクリティーク賞を受賞した新鋭のデビュー批評集。
目次
「貨幣」と「娼婦」の話―まえがきにかえて
1 七海ななについて知っているいくつかのこと
2 あの頃の前田敦子
3 Dr.ハインリッヒの漫才を見るためには
4 「丸サ進行」と反復・分割の生
5 「推せ」ない「萌え」ない愛子さま
補論 「東京の男の子」の悩み事
これまでとこれからのこと―あとがきにかえて
著者等紹介
西村紗知[ニシムラサチ]
1990年、鳥取県生まれ。東京学芸大学教育学部芸術スポーツ文化課程音楽専攻(ピアノ)卒業。東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻(美学)修了。「椎名林檎における母性の問題」(「すばる」2021年2月号)で「すばるクリティーク賞」を受賞した。本書がはじめての著作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
12
感想はまた別のどこかで書くかしゃべる気がしてますが、売り手/書い手の関係から逃れられない現状の気分の分析として鋭くて重くてとてもよい。「実存」と「システム」の間で、女の姿が見えなくなること。あるAV女優とあるアイドルとある女芸人は、そうした「見えなさ」を著者に突き付けた存在として、語られる対象となる。2章の締めの言葉になぜか深く納得する2023/12/04
辻薫
1
本邦の時代精神に対峙する著者の問題提起の鋭さと、その一方で論じている対象(「女」たち…)から著者が切り返されることによって生まれる緊張関係(《書き手の側の概念を危機に晒すこと》)が凝縮したような文体に、とても惹かれる。何が商品で誰が売手で買手なのか、その関係の区別が判明ではなくなり、今や誰もが「貨幣」に似た生を生きる。《悪しき生のなかで良き生はありえない》――著者によればこのアドルノの命題は、個人の生を、その生き方を規定する社会の仕組みなど外部の側から捉え直すよう要請するものであると同時に、2023/12/20
りお
0
批評っておもしろすぎる 世界から10cmくらい浮いてものごとを捉え直すような2026/03/03
とりもり
0
あまり納得感のない本。部分的には同意できる箇所もあるが、全体を通じて漂う自己満足感(こことここがこんなふうに結びつくんだよ、的な)に牽強付会的なものを感じてしまい、論旨が散漫な気がしてならない。こんな文章、昔読んだ記憶があるなと思って色々と記憶を辿ると、「よい子の歌謡曲」によくあった特定のアイドルや楽曲に対する自己陶酔的なレビューに雰囲気がよく似ている。と思ったら、唐突にJ-POPに関する論考が登場してびっくり。とはいえ、この音楽論考が一番内容的には良かった。個人的には今ひとつな一冊。★★☆☆☆2024/06/29
ヤマニシ
0
「おそらく最も困難なことは、あなたにだったら騙されてもよい、というようにして対象を信じることだ。あなたにならすげなく突っぱねられたいと心の底から信じてみることだ。批評は何かに対する、直接的か非直接的かは異なっても、信仰告白ではなかっただろうか。」(p247)2024/03/18




