出版社内容情報
絵本、童話から小説、エッセイ、詩、そして海外ミステリーまでーーお風呂でも、電車の中でも、待ち合わせでも、いつもそばに本がある幸せ。心躍るエッセイ集。
内容説明
絵本、童話から小説、エッセイ、詩、そして海外ミステリーまで―。そばに本があることの幸せと本を読む喜びにあふれた心躍るエッセイ集。
目次
1 なつかしい読書(壁のなか;街との親和性、そして方向音痴のこと;のむよむ ほか)
2 本を読む日々(ジョン・アーヴィング『あの川のほとりで』;ジョン・アーヴィング『ひとりの体で』;池澤夏樹『砂浜に坐り込んだ船』 ほか)
3 さらに本を読む日々(文学そのもの―庄野潤三『貝がらと海の音』;すこしの淋しさ―瀬戸内寂聴『死に支度』;詩は放たれる―谷川俊太郎『トロムソコラージュ』 ほか)
著者等紹介
江國香織[エクニカオリ]
1964年東京生まれ。1992年『きらきらひかる』で紫式部文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、07年『がらくた』で島清恋愛文学賞、10年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文学賞、12年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、15年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞など数々の文学賞を受賞。小説作品のほか、エッセイ集や詩集・童話・翻訳など多彩なジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
215
江國 香織は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、タイトル通り、著者の作家論&書評エッセイでした。著者は真摯に真面目に文学に対峙していました。 オススメは、金原ひとみ論です。 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480815798/2024/06/29
いこ
116
江國香織さんの文章が好きだ。江國さんの使う日本語(江國語)は切なくて美しくて繊細で、かと思うと時に大胆で。この本は、江國さんが以前に書いた書評、(誰かの本の)解説等を集めたもの。この本の中には、ざっと百冊位の作品が紹介されている。私がどちらかというと苦手としている外国文学も、江國解説にかかると全部が全部面白そうだった。「この中の作品全部読みたい」と思ったほど。切な美しい江國語が、好きな作品を語る様を見てほしい。それは、華やかでウキウキして、今にも走り出しそうで、こんな江國語もまたとても素敵なのだ。 2024/07/06
シナモン
110
豊かな語彙力と魅力的な文章。 どれもこれも読みたくなって困った😆 石井桃子さんの著書は読んでみようかな。 庄野潤三さんも気になる…🤔2024/08/22
ネギっ子gen
81
【本を読むのはその本の中にでかけて行くことですから、ここに集められた文章は、私にとって旅の記録でもあります。あちこちにでかけたなあ】とあるので、出掛けた先のひとつが、「雨の日に繙く本」:<須賀敦子さんの御本を読んでいると、どうしてだろう、雨が降っている気分になる。いつも。没頭して頁をめくり、知らない街の古い石畳や行きかう人や、愉しげな食材店や季節ごとの木々や、注意深く綴られる誰かの横顔にひきこまれ魅了され、ふと本を離れると、私は東京の片隅の小さな自分の部屋において、窓の外は雨が降っている>と。素敵だ……⇒2024/07/26
Ikutan
72
タイトルは佐野洋子さんの『嘘ばっか』にあやかったという書評集。『本を読むのはその本のなかにでかけて行くこと』ということで、この本は、江國さんにとって旅の記録だという。江國さんの心地よい文章に浸れただけでも満足なのですが、どの作品もその素晴らしさがふんだんに綴られていて、苦手な外国作品も、ちょっと読んでみたいと思えてくる。作品の解説と共に瀬戸内寂聴さんや佐野洋子さんとのエピソードも楽しい。気になったのは、金原ひとみさんの『デクリネゾン』と岩瀬成子さんの『真昼のユウレイたち』。読みたい本がまた増えた。2024/07/25