出版社内容情報
ある日から音楽活動も執筆も全てやめた。妻の病気が判明したから。『たましいの場所』の著者が妻に贈る鎮魂エッセイ。渾身の書下ろし。帯文=宮藤官九郎、神藏美子
目次
第1部(ものごとの始まりは;愛の逃避行;あの娘が好きだから ほか)
第2部(赤色のワンピース;秘事;たましいは生きている ほか)
第3部 日記(日記;高野慎三さんからの手紙)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
34
早川さんのライブを見に行ったことを思い出した。しいこさん。素敵な人だったということがひしひしと伝わってくる。病床で「赤色のワンピース」、光景が浮かんでくるようだ。早川さんのエッセイは、何で、こんなに身に迫ってくるんだろうと思った。いろいろと考えて眠れない。2020/09/22
青木 蓮友
15
まさか、早川さんが奥さまに先立たれるとは。あの当時早川さんと彼女の仲は公然の秘密となっていて、その影響か既婚男性らが何となく浮きたっており、23歳のわたしはおおいに迷惑した記憶が。奥さま、素敵。あまりにカッコよくて溜息が出てしまいました。こういう人生の先輩の最期のご様子、ご主人のお陰で知ることができて感謝。しかし、早川義夫という人はどうしてこんなに人の心を揺さぶるのでしょう。一糸まとわぬ魂、人肌の何かがこちらに迫ってくる。おふたりの見つめ合う写真に、思わず身をくねらせ呻きました。145ページ目です、是非。2020/10/28
チェアー
14
だらしない男。どうしようもない男。それを面白がっている妻。 しかし、妻は本当にそれを面白がっていたのだろうか。 面白がらないと哀しいから、と思ったことはなかっただろうか。 それに気づかず、歌ってきた男。 最期、一緒に歌って、彼女の心は落ち着いたのだろうか。 そんな赤裸々な告白を聞いているようで、こちらがどぎまぎする。2020/11/04
Roko
13
義夫さんは大学生の時にしい子(静代)さんと出会い結婚しました。義夫さんは結婚して間もなく、ミュージシャンをやめて本屋さんのおやじさんになりました。義夫さんのどんなわがままも、あっさりと認めてくれたしい子さんでした。しい子さんとの出会いから別れまでを書き綴ったこの本を読むと、しい子さんあっての義夫さんだったんだなぁって改めて気がつきました。#NetGalleyJP2020/09/18
江藤 はるは
8
止まる胸の音に 高く高く響く 思い出がある2020/09/23