出版社内容情報
PR誌『ちくま』名物連載「ネにもつタイプ」待望の3巻めがついに! いっそうぼんやりとしかし軽やかに現実をはぐらかしていくキシモトさんの技の冴えを見よ!
内容説明
奇想天外、抱腹絶倒のキシモトワールド、みたび開幕!ちくま好評連載エッセイ、いよいよ快調な第三弾!
目次
運動
ふるさと
アレキサンドリア
大地の歌
カブキ
哀しみのブレーメン
体操
会員
不治の病
名は体を〔ほか〕
著者等紹介
岸本佐知子[キシモトサチコ]
上智大学文学部英文学科卒。洋酒メーカー宣伝部勤務を経て翻訳家に。『ねにもつタイプ』で第23回講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
218
ちくま書房のPR月刊雑誌、「ちくま」に連載されたエッセイを集めたもの。3ページのエッセイ+イラスト1ページで1エピソード構成と、かなり短い。しかしながら本文によるとかなりの出不精であるらしい著者。ネタの内容は過去の思い出や今、目の前にあるものから妄想を膨らましたエピソードに限られており、月刊誌というからには締め切りと言うものを守らねばならず、なんとかページを、文字数を稼ぐのに四苦八苦している様子が文章から滲み出している。読んでいて苦しい。辛い。面白くない訳ではないが、一気読みには向かない本だったと思われ。2024/06/29
ぶち
142
読友さんのレビューを拝読して、読まずにいられなくなった妄想エッセイ。図書館の順番が廻ってくるのに数か月を要した人気本なのです。エッセイというより短編集を読んでいるよう。オチがちゃんとあって、小説としても楽しめるのです。奇想天外な着眼点。でも、自分の身近なことにも感じられます。抱腹絶倒な語り口。でも、ときどき怖くなります、自分もソックリな部分を持っていることを発見して。この物語はどれも気持ち悪く感じられて、でも読んでいて気持ちよくも感じられます。キシモトワールドに囚われてしまったか…2020/08/16
R
141
不思議な短編小説集でした。小説というか、小話のような、一瞬エッセーと間違えてしまいそうな不思議話。とっかかりは、そういうことあるなぁという些細な出来事を取り上げつつ、掘り下げていくと、ホラーになったり、エレジーになったり、サスペンスになったりと振り回される。ありそうな話が、ちょっとSFみたいに発展していくのが楽しいのだけども、考えオチを突き詰めたかのような、笑いと怖さが同居する文章を楽しめました。2020/01/27
kei-zu
132
職場の女性にショーン・タンを紹介したら好評だったので、ならばとショーン・タンの翻訳も多い本書の著者を紹介しました。最新のエッセイ集を貸そうと、渡す前に目を通したら止まらず一気読み。 ドライ?日常のトホホ系?幻想的?本書のオビには「奇想天外、抱腹絶倒のキシモトワールド」とあるが、その形容もいささか居心地がよくない。常識が足下から崩れるような浮遊感。 ああ、叶わないがこんな文章が書きたい。2020/11/19
tetsubun1000mg
131
初読みの作家さんで、翻訳家でありながら「ちくま」連載の「ねにもつタイプ」でエッセイストとしても多くの本をだしている。 「ねにもつタイプ」でエッセイスト賞も受賞したとの事で選んでみるが、じわりじわりと面白くなってきてそのうちクスクスと笑ってしまう。 あることからほかのことを想像していくうちに、妄想が拡がってしまいどこに行っているのか分からなってしまうパターン。 「そんなわけないだろ!」と突っ込みたくなるほど妄想が爆発するのだが、大爆笑というよりシニカル方面の感じ。 三浦しをんさんとは違ったパターンで面白い。2024/06/29