内容説明
自らが描き続けてきた歴史上の人物のように、潔く死と向きあった作家。死生観や取材の思い出などを綴った最後の連載随筆を一冊にまとめる。
目次
回り灯篭(回り灯篭;未完の作品;歴史の襞;雉鳩;われ百姓の… ほか)
新潟旅日記(郷愁のある町;栃尾での昼食;唐爺や;白根の凧;妻と佐渡 ほか)
きみの流儀・ぼくの流儀(対談 吉村昭・城山三郎)
著者等紹介
吉村昭[ヨシムラアキラ]
1927年生まれ。作家。芸術院会員。1966年『星への旅』で太宰治賞受賞。『戦艦武蔵』『高熱隧道』で人気作家の地位を不動にする。菊池寛賞、吉川英治文学賞(『ふぉん・しいほるとの娘』)、読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞(『破獄』)、毎日芸術賞(『冷い夏、熱い夏』)、日本芸術院賞、大佛次郎賞(『天狗争乱』)などを受賞している。歴史小説で力作を発表している。2006年7月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たぬ
18
☆4.5 2003年から2005年にかけて「文學界」「ちくま」「新潟日報」に発表したエッセー+1998年に発表された城山三郎との対談を収めたもの。これで96冊目と読んだ冊数は断トツで多い作家だけど(※2位の筒井康隆でもその半分の48冊)、「子供の頃近所で阿部定事件が起きた」「(『神々の沈黙』に出てきた)心臓外科医のカントロヴィッツ氏の教え子に林郁夫がいた」「漱石の良さがわからない」など初耳エピソードも多くてより楽しめた。2025/02/22
ホレイシア
10
地道に史実を追い続け、取材を重ねて数多くの名著を残された著者のエッセイ集。各地を講演して歩かれたときの話が興味深い。また、吉村氏は学習院大学「中退」なのだが、その「中退」を正式なものとするまでの話など、らしいなーと感心してしまう。人生の最後を「自決」して締めくくられた方の一本筋の通った生き方が伝わる貴重な1冊。2009/06/05
ふるふる
7
「歴史を記録する」に掲載されていた城山三郎さんとの対談も楽しめたけど、こちらは話題が身近で冗談も飛び交っていてより吉村さんの素顔が出ているように思われ、とても面白かった。2023/05/27
さざなみ
4
十数年前に読み漁ったこの作者の本の思い出が随所に出てくるエッセイ。 もう一度何年振りかに読み直してみたい本が数冊ある。 城山三郎との対談ではお二人とも田宮虎彦がお気に入りとのことを知り、この作者の本も読んでみようかな。 2014/07/20
りんふぁ
2
息抜きに。2017/05/03
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- 和書
- 嵐が丘 〈下〉 岩波文庫