中庸、ときどきラディカル―新近代主義者宣言

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  • サイズ B6判/ページ数 258,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480814456
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

左翼では「弱者」とか「人権」といった言葉がむやみと使われ、右翼からは「国柄」などという意味不明の言葉が出てくる。こういう時勢の中で、正気を保ちながらバランスをとり続けるのはむずかしい。だが、あえてこのきつい地平に屹立する。それが「中庸」だ!健全なナショナリズムはありえないのか?穏当なフェミニズムはありえないのか?いま、最も根源的(ラディカル)な問いを立てる、果敢な論考。

目次

改めて「主婦論争」を読む
「近現代史論争」に関するノート
セクシュアル・ハラスメントと思想・表現の自由
私的ナショナリズム論
「シナ」がいけなくて「チャイナ」がいい理由は?
英国の歴史教科書
学者失格!
近代国家の代案
遺伝を忘れようとする人たち
醜男論、美人論
文庫版『靖国』を読む
文学者の教育改革案
「男の貞操論」はなぜ消えたのか
売買春論はフェミニズムと手を切れるか?:「江戸幻想批判」ふたたび
「密告」は常に悪か

著者等紹介

小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年茨城県生まれ。東京大学文学部英文科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士(超域文化科学)。1990‐92年、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に留学。現在、東京大学非常勤講師および明治大学兼任講師。文芸批評、演劇、歴史、ジェンダー論などフィールドは幅広く、独自の「男性論」を展開。また、論壇・文壇の党派性への鋭い批判も行なっている
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感想・レビュー

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柳田

17
「文学者の教育改革案」を読む。いや、ぜんぶ読んだが。中等教育を充実させるべきだとか文学部は少数精鋭にするべきだとか、全くその通りだと思ったりする。どうも周囲の大学の先生方はあまり受験的な学力に関心をもっていなさそうなのだが、漢字が書けるとか英単語を知ってるとか、明治維新がいつなぜ起きたかとかそういうのはけっこう大事なのだと思うようになった。論理的な文章の読み書きを、というのは、小論文の添削とかできたらいいと思う。私は編入の予備校で何十枚添削してもらって本当に有難かった。特に人文系で文章が書けないとまずい。2018/08/23

阿部義彦

14
図書館本。2002年、筑摩書房刊。文芸時評やジェンダー論に造詣の深い小谷野敦さんの断片的エッセイ。特にジェンダーとナショナリズムに関してはその辺の生い立ちとの関連も明らかにされて興味深く読みました。本人も自認する通りに天邪鬼故に立ち位置では苦労されている様ですが、同じ一人の学者でも、全否定はせずに、この考えには与しないが、この考察は素晴らしいなどと、多面的にバランスよく読み込むなどフラットな視線の方だた再認識。教育論(特に英語と国語)に関しては、なるほどという思いを強くする。2023/07/16

モリータ

8
◆2002年刊。雑誌掲載+書き下ろしの文章を収録。坪内祐三の「文庫版『靖国』を読む」が読みたく思って買う。フェミニズム・買売春論などが主だが、「文学者の教育改革案」は、ここで論じられている問題は、今もそここで提起されたり実際に指導要領の変化などで進展しているように思えるものの(国語=文学・文化の教育と日本語=論理の教育の区別など)、この時間のかかり具合と私も含めた大学教員の状況(窮状と自分がどういう立場にあって就職や研究が保証されるのかという自省のあり方)に、暗い気持ちになるのは避けられない。2019/09/21

スズツキ

2
色々言われている著者だが、題名で感じるものがあったので着手。批判ばかりで「ううむ」といった具合。2015/02/18

ryo511

2
著者の基本スタイルは「因縁」。それがうまくはまれば膝を打つような議論が展開されるが、明後日の方向に向かうことも少なくない。B2009/06/04

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