内容説明
時に優しく、時に妖しく、ひとの心の庭に咲いた花をめぐる五十話。
目次
正月さま―福寿草
福は内―節分草
妙な名前―オオイヌノフグリ
花の数だけ―クロッカス
花を愛して―梅
ヨウカンの札―水仙
筆の花―つくしんぼ
浴室の合唱―すみれ
ロシナンテ―たんぽぽ
別荘地―春紫苑〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryoichi Ito
4
およそ50種の花にまつわる軽いエッセイ集。それぞれの花についているカラーの挿絵が素晴らしい。2018/09/23
coco.
0
五十種の草花を、一種ごとに水彩画の花と共に4Pで綴られたショートショート集。著者は古書店の店主である方。実話か創作話なのか図りかねるが、失礼ながら実体験にしては、少々出来過ぎているような話に感じられた。前者だとすれば、花の知識に長けた知人に恵まれて羨ましい。めでたい祝いの花エピソードもあるものの、妙に薄ら寒くて不吉なオチが多いな、と思っていたら著者は、あとがきに、花は純真無垢に咲くが「花を愛でる側にはゾッとさせるドラマがあるのだ」と記されていた。題名に託された意味にちょっぴりぞくり。草花好き向けの本。2012/10/02