内容説明
1989年~91年。国家でさえ消滅し、簇生する―。20世紀全体の時空が凝縮し、爆裂したようなこの三年間を、旺盛な好奇心と奥行深い歴史眼で見すえ、ホロ苦いユーモアただよう絶妙の筆致で捉える。現在進行形で描く鮮やかな〈現代史〉。最新エッセイ集。
目次
草野心平追悼
領土なき国家
ラテン文と漢文
歴史の時間軸
殺人産業大繁盛
ディス・コミュニケーション
軍隊廃止国民投票
私の7月14日
二葉亭四迷氏と堀田善右衛門氏
スポーツと宗教、あるいは擬似宗教
1939年9月
ヨーロッパ、ヨーロッパ!
ロマーニア、ロマーニア!
出エジプト記
ジブラルタルは誰のものか〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
9
堀田善衞氏の『ちくま』連載のエッセイをまとめた本。丁度、ソ連・東欧の社会主義体制の崩壊期にあたつてをり、当時スペイン在住の著者がリアルタイムに日々のニュースに接し、ヨーロッパの広域的な歴史の厚みを面白がりながらも、味はひ深い思索を示す。冷戦終結といふ事象も、「二十世紀全体の時空がぎゆつと凝縮して来て、爆裂したやうなもの」と捉へられて、ローマ帝国・キリスト教(ヴァチカン・教皇)、それにイスラム教徒の支配下に編入されたこともあるスペインのこと、2度の大戦とポーランドのことなど、現行のヨーロッパ世界の下敷きに↓2021/11/08
てったい北関東
0
小さいころから本読んだり音楽に接したり絵描いたりなんだり、っていう子ども時代の経験って大事なんだろな、というのをまた感じてしまった。なんでこんなに空ッポになってしまったんだろう。2012/09/15