出版社内容情報
息子の不登校に悩むパート主婦の「私」。洗顔料を使ったら、祖母が降霊してしまった。掃除道具と洗顔料と生家の思い出を携え、越冬する。第41回太宰治賞受賞。
【目次】
内容説明
息子の不登校に悩む四十代の「私」。美容品を扱う店でテスターを使用したその日から、祖母の霊を降ろせるようになってしまった。掃除に打ち込む「私」の傍らで、もの言わぬ祖母は何をどう感覚しているのか。重曹と洗顔料と生家の思い出を携えて、パート主婦が越冬する。第41回太宰治賞受賞作品。
著者等紹介
栗原知子[クリハラトモコ]
1975年、宮城県生まれ。明治大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
146
太宰治賞受賞作品ということで読みました。栗原 知子、初読です。本書は、越冬死霊術幻想譚の家族小説でした。太宰 治っぽくはないですが、令和の家族小説として興味深く読みました。オススメは、受賞作「フェイスウォッシュ・ネクロマンシー」です。 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480805294/ https://www.chikumashobo.co.jp/dazai/article/111314/2026/01/24
nekomurice
5
マウントを取ったり、常に何でも勝っていなければいけない人だったり、ガツガツしている主婦が多い中、2作の主人公は少し冷静で落ち着いていて人間らしくて私は親しみやすかった。 2026/02/04
KYK
1
太宰治賞受賞作。すでに第41回も続いている文学賞だが寡聞にして知らなかった。過去の受賞作を見ても知っているのは『こちらあみ子』くらい。本作は表題と「森と百式」の二篇が収録されていて、どちらも鬱屈とした主婦の日常が描かれている。ある洗顔料を使った時だけ祖母を降霊できるようになるというのを日常生活のバグと考えるなど、物事の捉え方がいちいち独特で、文章にそこはかとないおかしみが含まれている。2026/02/01
えお
1
太宰治賞2025にて書評と共に初読。 スクラブや洗顔料を売るメゾン・ド・オリビエ、パート先の院内コンビニ、絶望をエンジンとした掃除。 異変を「うたかたの人生のバグ」と捉える語り手の余裕が柔らかな奥行きとそこはかとないユーモアを生んで読むに心地いい、と奥泉光先生が書評をしているが、その通りだと思う。 ゲ謎の応援上映に行くのか。良かったな。 祖母に美空ひばりのCDを買い、シルバーカーも買ってあげれば良かったと思う主人公の優しさが柔らかくて心地良い。2025/12/15




