- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 哲学・思想
- > 構造主義・ポスト構造主義
内容説明
犯罪者をめぐる精神医学と司法の連結への過程を検証し、近代西欧において“異常者”と呼ばれる一族の登場を可能にした“知”と“権力”を、精神鑑定およびセクシュアリティの告白についての歴史的分析から出発しつつ鮮やかに描き出す。
目次
刑事精神鑑定
精神鑑定はいかなる種類の言説に属するのか
真理の言説と笑いを誘う言説
十八世紀の刑法における法定証拠
改革者たち
内的心証の原則
情状酌量
真理と正義との関係
権力のメカニズムにおけるグロテスクなもの
犯罪の心理学的かつ道徳的な分身〔ほか〕
著者等紹介
慎改康之[シンカイヤスユキ]
1966年長崎に生まれる。東京大学教養学部教養学科卒業。同大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程中退。フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)にて博士号取得(哲学・社会科学博士)。現在、筑波大学専任講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
9
姉を殺したい欲望に苦しみ身体拘束を自ら求める男はもっと厳重な鎖が欲しいか聞かれ「なんと有難いことでしょう!」と感謝。知と権力が異常者というアブノーマル(反規範的)な存在を名指し炙り出していく歴史に注視する講義で、少女に愛撫させて「固まるミルク」を出す遊びが普通に行われていた農村の風景がある時から精神医学の分析対象になる等の事例を、次々紹介。自涜中に何を考えてたか、器具や体の部位はどこを使ったか、同性愛行為は単に情欲を満たす目的か本気の恋か取調べた教会での懺悔は、家庭で子どもの自慰を監視する知−権力へ変容。2019/12/23