内容説明
後世はこの鬼才をどう理解してきたか?マキァヴェッリをめぐる数多くの研究文献のなかから選りすぐった卓抜な論考五篇(新訳四篇)と最新の詳細な研究史(新訳)、年譜およびフィレンツェ史年表を収め、また人名索引と地名・民族名索引を収録した。
目次
研究(ニッコロ・マキァヴェッリ(フェデリコ・シャボー)
マキァヴェッリ(デ・サンクティス)
マキァヴェッリ(オーギュスタン・ルノデー)
権力の魔性(ゲーアハルト・リッター)
『君主論』への序文(ジョン・アクトン)
マキァヴェッリ研究史(エマヌエル・レンディナ・クティネッリ))
年譜・年表(マキァヴェッリ年譜;『フィレンツェ史』理解のためのフィレンツェ史年表)
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
6
補巻はNM自身のテクストではなくデ・サンクティスなどの代表的な論考を収録。英語圏でNMを読んだ自分は共和主義の伝統に位置づけがちだが、大陸では国家理性と結びつけられた思想の系列がある。ナポレオンやムッソリーニのNMはこちらに属する。多くの論者はNMの思想のユートピア的一面を指摘してる。NM以上に現実主義で状況をより正確に把握していたグィッチャルディーニには欠けてる一面。人間を滅茶苦茶貶すんだけど、それが諦めではなくて再生への希望に結びついちゃう。明るい。堕落した人間を再生するために、まず嘲笑しちゃうんだ。2024/03/06