内容説明
１９６０―８０年代のブルトンやフーコーによる再評価も受けて、種村季弘個人訳による新聖冒涜、反権威主義、エロティシズムの、医師にして患者、作家パニッツァ復活。フーコーが問題にした両性具有の物語「あるスキャンダル事件」他、第二短篇集『ヴィジョン集』を主体に関連作品を加えた全１５篇収録。
感想・レビュー
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みずあめ。
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『コルセットのフリッツ』が好み。徹底して客観が排除された、一人称の語りで描かれる狂気。狂気は描かれているだけで、描かれ方自体に狂気が見えるわけではないけれども、興味深かった。キリスト教やワーグナーへのシニカルな視点やユダヤ人問題など、クリティカルなテーマを含みつつ、普通にブラックなオチのある小説群として読んでも非常に面白い。『あるスキャンダル事件』なんかは、あのオチでなければもう少し楽しめたかも？2012/07/16
