出版社内容情報
戦争の傷跡が残る日本で、作曲家の道を志した青年がいた。正規の音楽教育を受けることなく、独学で現代音楽の可能性を切り開いていった男の物語。解説 大友良英
内容説明
ある“歌”との出会いが、その少年の将来を決めた。新しい響きと表現を探求し続けた作曲家の生涯をたどる。
目次
第1章 音楽との出会い
第2章 音楽を求めて
第3章 音楽の生活
第4章 世界の武満
第5章 音は環のようにつらなって
巻末エッセイ「武満ファンだった若走の恥ずかしい話を聞いてくださいな」大友良英
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
23
武満さんの音楽で初めて聴いたのは「弦楽のためのレクイエム」。あれは20歳ごろだったか。あの独特な音楽を作った人について、初めてその伝記を読んだ。そして涙が出そうになった。貧困や結核との闘いだった青年期。独学で作曲家になったという、そんな努力の人なのに、決して深刻ぶらず、自然体で音楽を作っていたことに、かえって感動を覚える。もう少し長生きしていただきたかった。2016/06/30
えすてい
7
武満徹の音楽は、小1の国語の時間、担任が「死んだ男の残したものは」を流して歌詞を書き取らせたことを今も覚えている。しかし中学では音楽教科書に載ってたノヴェンバーステップスは鑑賞授業をやならなった。この曲を知ったのはNHK「名曲探偵アマデウス」である。独学の作曲家であることは有名であるが、だからといって孤高の現代音楽家ではなく、アカデミックな外で幅広い交友関係があったことがこの本から分かる。既存の枠のアカデミック音楽教育に収まらなかった(結核の影響もあったが)が故に、それが逆に功を奏して名曲を残したのだ。2020/02/25
助作
2
不勉強で氏についての知識は皆無。ただ、若き日の坂本龍一にビラを配らせるとは、それ程の影響力を持った人物だったということ。若い頃は貧乏した様でこれほどの仕事ができるようになったのは不断の行動力とその人としての魅力にほかならないのだと思う。是非その音楽に触れてみたいと思いながら読了。2023/10/21
海戸 波斗
0
手にとって悪かった。本当に知らないわからないごめんなさい。2016/03/29