内容説明
「古典なんて何の役にも立ちません!私も古典の授業が嫌いでした!」こう言いきる著者が、「おもしろい」を入り口に、現代に花開く古典の楽しみ方を伝授する。
目次
第1章 古典を読むと立派な人になれるというのは間違いだと思います(はじまり!はじまり!;本を読むと立派な人になれるというのは間違い ほか)
第2章 こんな生き方をしたいと思ったとき(嫌いな文芸評論家との出逢い;温厚なわたしが講演会を途中退席した理由 ほか)
第3章 読むとこんなことがわかる、なんの役にも立たないけど(書物に問いかける;メナム川の夕陽 ほか)
第4章 人は遊びのなかに学び、時に自らの愚かさを知る(堕落する様子を歌舞伎で見る;またまた余談 ほか)
著者等紹介
上野誠[ウエノマコト]
1960年、福岡県生まれ。国学院大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学)。奈良大学文学部教授(国文学科)、財団法人奈良県万葉文化振興財団万葉古代学研究所副所長。研究のテーマは、万葉文化論と民俗文化論。第12回日本民俗学会研究奨励賞受賞、第15回上代文学会賞受賞。歴史学や考古学、民俗学を取り入れた万葉研究で、学会に新風を送っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Shoji
32
とても楽しくスラスラと読めました。 著者の上野先生の講演はとても楽しくユーモラスで、あっという間に時間が過ぎますが、この本も同様でした。 難しい話はさておいて、上代に生きた人々の生活の喜怒哀楽の様子を古典文学から垣間見ようじゃないか、そんな内容です。 ただの国文学にとどまらず、民俗学のエッセンスが随所に織り込まれていて、説得力もある本でした。2016/04/06
ポテンヒット
10
古典が苦手な学生に向けて書かれた入門書。古典そのものよりも、古典を読む今の自分が何を感じ、どう考えるかが大事なのだと説く。ここで紹介されているのは、「論語」「荘子」「万葉集」「宇治拾遺物語」など。古典の舞台になった場所を訪れて、登場人物に想いを馳せる、実際の距離感を掴むのも楽しみの一つとするのは分かるなぁ。上野先生の授業は、きっと楽しいと思う。2022/12/20
jjm
10
何とか古典に興味をもってもらいたいという著者の心意気は伝わる。古典自体が重要なのではなく、それを通じてどう考えるかが重要であると。一方で当時の文化や考えを知るだけなら、現代語で歴史を勉強すればいいのであって、古文や漢文でなくてもいいのではないかとも思う。何のためになるのか?という観点ではやはり行き詰まるので、日本人として一般教養を身につける、受験生は受験科目にあるからと割りきるしかないだろうか。受験時を振り返ると、古文はやはり外国語を勉強する態度で臨まなければいけなかったと今さら思う。(センター悪かった)2021/04/24
Mik.Vicky
7
中学生の娘の学校の課題図書。ある程度は予測していた内容だったが、とても読みやすく、古典に親しみが湧いた。昔の人も考えることは同じ。男は女を欲し、女も男を欲するが、洗濯場がナンパ場所になっているというのは新鮮な情報だった。ところで、昔の人は時間がたっぷりあって、情報が少なかったからか、思考に思考を重ね、短い文章に隠れた心情・下心を隠して記述していた。それを著者の視点で解釈した説明が面白かった。2018/03/04
calaf
5
気楽に読める古典入門。まぁ、古典を読む意味なんて、何でも良いんじゃない?という事か... (笑)2011/04/22
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