出版社内容情報
命を救うはずの場所で
僕は「重い現実」を見た――
映画『廃用身』原作者が贈る、
「正しさ」を問いなおす物語。
「医者になりたい」高校生×医療ミステリー
医学部受験のため猛勉強中の高校二年生・医人(いひと)。
同級生の父親が喉頭がん治療中に急死し、医療ミスではないかとの話が持ち上がる。
事実を探るべく、主治医、親戚の麻酔科医、各科の専門医、新聞記者と対話し、
「病気を治して人の役に立つ」というきれいごとだけでは説明できない医療の重い現実を知る。
【本文より】
……「そんな陽の当たる場面ばかり思い描いて医者になったら、すぐに挫折して、やる気のない医者になったり、金儲けに走る医者や、楽をすることばかり考える医者になったりする。医者になるなら、医療の陰の部分をあらかじめ知っておくことが大事なんだ。……医療にはそんな世間から隠された暗くて重い現実があることを知っておくことが、ほんとうの意味でいい医者になるための心の準備になるんだ」……
【目次】
第一章 「将来、医者になりたいんです」
第二章 「もし、医療ミスだったら、悔しいな」
第三章 「医療には知らないほうがいいことも多いんだぞ」
第四章 「そう、心の準備だ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coldsurgeon
4
医師を目指して勉強に励む高校2年生を主人公として、友人の父の死を医療事故ではないかと疑うところから物語は始まる。医療の不確実性や不条理な面を知ることにより、医療への期待が盲目的であることを理解し始める。医療者は、ただ感謝されるエッセンシャルワーカーというわけではなく、不条理な展開への恨みの受け手になることがある。医療の正しさとは何かと問う著者らしい作品。2026/06/14
読書家さん#2jObDY
0
「まずはこちらが忍耐強くなることだ。医者になるなら、その覚悟がいるということだ」 医療における「正しさ」とは何か。陰謀論の蠢く裏には、書き手独自の正義もある。医療に限らず、世界は優しさと嘘でできあがってる。それが「正しさ」だ。 読後に思い浮かんだ某ドラマの一節 「死は希望だ。その死の一つ一つが医療を進歩させてきた。現代の医療は死屍累々の屍の上に成り立っている。誰しも医学の進歩のためには、犠牲があっても仕方がないと思っているはずだ。科学は死に意味があるんです。死こそ希望です」2026/06/14
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