出版社内容情報
ページを開いてもわからないものはわからない。そんな本に有効なのは正攻法の読み方だ。キーセンテンスの探し方から読書会まで、いままでにない読書法を教えます。
内容説明
やみくもにページをめくっても、理解は深まらないから、まずは正攻法の読み方を身につけよう!キーセンテンスの見つけ方から実践的な読書会まで、これまでとは違った読書の仕方を教えます。
目次
1 原理編(キーセンテンスを見つける;文章全体の主張を捉える;グルグル回りで読み解く)
2 方法編(前提と結論に腑分けする;話の流れを押さえる;その文章のどこが重要なのか?;具体例を挙げ、深く理解する)
3 実践編(ほかの人の「読み」を聞く;読書会をやってみよう)
著者等紹介
山口尚[ヤマグチショウ]
1978年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在は大阪工業大学非常勤講師、京都大学非常勤講師。専門は、形而上学、心の哲学、宗教哲学、自由意志について(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
121
私には3年程前から途中で読むのを中断したデカルトの「方法序説」が有ります。決して厚い本では無く、むしろ薄い本なのですが内容が難解すぎて挫折しました。書店で本書を見た時、これだ!と確信しました。読んでみると、哲学書を幾つか例に出し非常に分かりやすい文章。原理、方法、実践と中高生にも分かるよう親切、さすが新書ありがたい。キーセンテンスを探し、全体と部分をグルグル回り、理屈の筋道を押さえる。そして、議論の要所を吟味し文章の言っていることをより深く理解する。抽象的と感じれば具体例を考え出す。よし待っていろデカルト2022/11/12
ころこ
50
せいぜい高校生までのプリマ―新書にしては難しい主題の本、想定読者は一般人を含めるので、別に読んでも恥ずかしくない。キーワード(部分)と文意(全体)の解釈学的循環をどう調定するか、ということに議論が費やされている。この問題は、キーワード(モノ・エビデンス)と文意(象徴・印象)の弁証法とみれば、昨今の風潮の問題とも通底する。読書人の日々の努力を言語化して「正攻法」が論じられるため、コツや速読術のようなものを期待した読者は落胆する。哲学が例文として用いられている。池田晶子、千葉雅也、永井均、鈴木泉、野矢茂樹、國2023/08/23
三井剛一
23
再読。読解に近道はないが、正攻法はある。「全体」と「部分」を捉えるのを繰り返す。これに尽きる。書き手の主張をクールに掴む。理解する前に、賛成、反対の判断をしない。まずは、キーセンテンスを見つけるところから、はじめよう。読解の方法だけでなく、触れたことのなかった日本の哲学者、それぞれの奥深さにも触れれて、よかった。2024/02/27
すくすく
16
若い人が難解な本を読み始めた時に途中でわからなくなって放り投げてしまうことがよくある。難しい本への向き合い方を哲学の良書、名著と呼ばれる本の引用を豊富に例に挙げ紹介している。でたらめに読破してきたこれまでの自分の本の読み方をかなり論理的に説明された気分。「暇と退屈の倫理学」の引用のところは文句なく面白かったので、やっぱり読もうと思った。読書会も何が楽しいのだろうかと思っていたけど、確かに面白そうだなと思えた。2023/04/06
まゆまゆ
15
あらゆる文章を確実に理解できるようなやり方はない、という事実を踏まえて解釈の正攻法を学ぶための技術を紹介していく内容。全体と部分を同時並行的に読み進めていくことで、グルグルと行ったり来たりすることで読解力がついていく。内容の確認だけでなくどこが重要かを意識して読むこと、ができればなぁ……2022/11/21
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