出版社内容情報
歴史や自然に学び、幾何学を駆使してたどり着いた独特の建築様式は今なお新鮮だ。サグラダ・ファミリア聖堂やグエル公園はどのようにして生まれたのか。
内容説明
サグラダ・ファミリア聖堂の建築家として名高いガウディ。歴史に学び、洞窟造形を取り入れ、幾何学を駆使しながら、誰よりも新しさを求め、独自の建築様式を生み出した。時空を超え、今なお新鮮な建築物はどのようにして生まれたのか。
目次
第1章 ガウディは才能に恵まれたのか?
第2章 生まれた場所と時代
第3章 できの悪い学生だったの?
第4章 建築事務所でバイトをしながら学ぶ
第5章 パトロン、グエル伯爵とコミーリャス侯爵との出会い
第6章 サグラダ・ファミリア贖罪聖堂が着工されるまで
第7章 サグラダ・ファミリア聖堂に専念
第8章 唯一無二のガウディ建築
第9章 貧者ガウディと権威者ガウディ
第10章 凡人と天才
著者等紹介
鳥居徳敏[トリイトクトシ]
1947年浜松市出身。名古屋工業大学建築学科卒業。神奈川大学名誉教授。73年渡西。マドリッド工科大学建築学部にてスペイン建築史を専攻。83年、ガウディ建築の二大造形源泉を解明した研究書『ガウディの謎に満ちた世界』をスペインの国費で出版。この本は、今でもサクラダ・ファミリア聖堂の建築家や模型職人たちの基礎資料となっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さくら咲く
21
建築様式から時代背景まで詳細な記述にじっくりと時間をかけて読んでみた。結婚せず家庭を持たずに生涯を建築にかけた人生を垣間見た。宗教的な事柄や人脈の関与は欠かせないがガウディが生まれた様々な条件、著者が擧げる八つに納得。著者曰く天才ガウディは生まれた時には存在せず死んだときに生まれる人生の勲章だ。特に人生後年のサグラダファミリアにかけたストイックな時期、死に様は目から鱗だった。見学が待ち遠しい。2022/06/24
ジュンジュン
13
本書でガウディの生涯を追いながら、その"天才"さを色々と考察するが、次の一文が一番しっくり来る。「我々は完成したサグラダファミリアよりも未完のサグラダファミリアの方に夢を感じ、ロマンを感じる」(155p)。ガウディたらしめているものはきっとこれ。「天才だから偉大な作品を生み出せるわけではない。偉大な作品を生み出したから天才と呼ばれる」(あとがきより)、それも未完の。サグラダファミリアなくしてカサミラだけだったら、たぶん僕はこう思う。住みたくないなあ~(笑)。2021/04/19
くろねこ
6
環境が人をつくり、人が環境をつくる、という言葉も出てきますが、ガウディがガウディになっていくさまを資料を元に提示してくれます。建築家になったばかりのガウディと晩年のガウディ、サグラダファミリアを作ることでガウディも変わって行ったのだと知り、ガウディほどの存在でなくとも人の一生というものも考えさせられました。 ガウディの言葉に惹かれ、言葉を集めた本を探し見当たらずこちらを手に取ったのですが、どのような時代に生き、どのような状況で発せられたかをわからないで言葉だけを読むより、この本を読んでよかったです。2023/08/30
oooともろー
3
ガウディはいかにしてガウディになったのか。時代・土地・人脈。やはり実物を見たい。2021/04/09
takao
2
ふむ2022/10/29